雪女の価値観・・・。逃げ延びた氷雨。
前回からの続きです。
子供を作る・・・。
それは高校生の女子である琴音には衝撃的な発言であった。
「子供って・・・。子供って・・・!!!
わたくしとの間にですの?!!
わたくしと氷雨様の間にこ・・・こどもっ?!!」
「嫌でしたか・・・・・?」
申し訳なさげに顔を下に向ける氷雨・・・。
「嫌だなんてそんな!!!むしろうれし・・・いやいや!!
駄目ですわーーーっ!!もっと健全にお守りしますわっ。
わたくしの家の財力があれば何でも叶いますっ!!!
貴方の幸せはわたくしが守りますっ!!!」
ドンと胸に手を当て意気揚々と告げる彼女。
「有難うございます・・・。」
涙ぐむ氷雨・・・。
「ここに住めばよいのですっ!!
ねっ?ミソノさん。貴方の占いでもそう出ましたわよね???」
唐突に聞かれたミソノは一瞬驚いた様子だったが
ふと我に返り、いつもの様に堂々と占ってみる。
「・・・。子供を作るのは・・・。あまり良くありません・・・。
水晶玉は・・・。このまま待ち続ける方がいいと・・・。
出ています・・・・・・。待つことです・・・・・。」
「あらあら、子作りは良くないんですのね・・・。ちょっと残念・・・。」
「琴音様ったら!!!」
後ろにいた3人娘は同時に怒りの声を上げた・・・。
その頃・・・。
雪山に戻っていた雪路は、泣いていた。
「どうして・・・!!あの子はようやく雪男として
認められる年になったのに!!!毛むくじゃらが何よ!!
もげもげした胸毛って素敵じゃないの!!!」
どうやら雪女の好みは普通とは違うらしい・・・。
「雪路。残念だったわね!!今季の雪男祭りはうちの弟に決定よ。」
横分けの長い髪をした美しい雪女が雪路にこう伝えた・・・。
「おのれ!!紗雪!!」
「ほーっほっほっほっほ!!!」
「悔しいーーーーっ!!!あの時あの人間の娘が邪魔しなきゃ!!!」
悔しさのあまり歯噛みしてしまう雪路であった・・・。
この雪男騒動のシリーズは一旦終了です。
またドタバタコメディーを面白く書けるように頑張ります!!




