帰り道の途中。キスかデコピンか。
前回からの続きです。どうぞ。
帰り道の途中。
千尋は着替えもせずに帰ろうとしているので
流石に寒かったらしく「くしゅんっ!!」とくしゃみをする。
「水着のままだからでしょ。そんなに私が怒るのが嫌だった?」
「え・・・?」
「だから!!私に誤解されるのが悔しいから着替えもせずに
すっ飛んできたわけでしょ?!水着いっちょで!!」
「あ。あああ。はい。」
「風邪ひいたらいけねえんで、飛ばしやすでぇ~」
一反木綿のいっくんは気を遣う。
ひゅ~ん!!からゴオ~!!に擬音が変わる。
「早い早い早い!!!!!」
「早いでげすか?じゃあ普通運転で。」
またひゅる~んに戻るスピード。
「こんな時になんだけど・・・。聞いていい?」
夏菜が何かを聞き出そうとする。
「はい?」
「あれ、ファーストキスなわけ?」
「・・・・・・・う・・・、はい・・・。」
「私ともキス・・・してみる?今。」
「・・・・・・・へええあああお?!!」
「なんて声出すのよ・・・。化け物でも見たみたいに・・・。」
「だって・・・!!夏菜さんが突然とんでもないこと言うから!!」
「へえ。私じゃ嫌なんだ・・・。」
「そんなこと言ってないです!!!寧ろうれし・・・、あ、いや・・・。」
ふいに近づき夏菜の顔がそばに来る。
(どっくん・・・どっくん・・・)
「ピコーン!!」
ビシッと千尋のおでこにデコピンをする夏菜。
「ぶあーか。そんな簡単にキスしてあげない!!」
「いたたた。何もだからってデコピンで返さなくても・・・。」
「来年は琴音なんかほっといて、一緒に海行く?みんな連れて。」
微笑みながらそう言う夏菜。
「へ?」
「楽しみね。来年・・・。」
ふふっと笑う彼女は綺麗だった・・・。
続。
なかなか進展しない2人の関係ですが微妙に
夏菜の方にも変化が・・・?




