神崎神社での再会。氷の姉弟。
前回から大分間が空いていたので忘れ去られていそうで心配ですが、
描きました、新作。どうぞ。
帰り道の途中、琴音の高級外車に乗っていた
氷雨は、ハッとして琴音にこう告げる。
「すみません!!ここで降ろしてください!!」
「ここ・・・?ですか???」
琴音は?マークでいっぱいになりながらも承諾した。
降りるなり、「ありがとうございました!!」と告げ、
走り去っていく氷雨。
「あ!!氷雨様っ!!どちらへ・・・!!!」
琴音が車から外へ出るとにわかには信じられない光景が・・・。
氷雨・・・彼が空を飛んでいるのだ。
「な!!!彼は何者なんですの?!!はっ!!まさか、
靴に空飛ぶ仕掛けが?!!!そんな馬鹿な・・・。」
まさにそんな馬鹿な・・・な展開ですが・・・。
氷雨は氷の妖怪なので、人間と違い飛翔能力が備わっている。
「姉さん・・・。すまない。」
そう呟くと、神崎神社の鳥居の上に立つ。
その瞬間、雪路はピンときた様な反応を見せ、
振り返る。
「氷雨!!!」
驚きながらも嬉しそうな怒っている様な複雑な感情の混じった表情になる。
「氷雨!!話があるの!!降りてきて!!お願いよ!!」
夕方も過ぎようとしていて、フラッペの片付けの最中だった為、
夏菜もその場に居た。勿論、千尋や秋乃も。
「おおー。なるへそ。なかなかの涼やかな顔した坊やじゃない。」
秋乃姉さんは下から鳥居の上の少年について感想を述べつつ
呑気にしゃしゃり出る。
「姉さんが出てくると話がややこしくなるから下がっててよ、もう。」
夏菜が前に出て彼女を制止する。
「かーわいくなーい。お姉様が揉め事を解決してあげようとしてたのに。」
「余計揉めるじゃない!!」
そんな会話をよそに、2人は目と目で見つめ合う事数十秒・・・。
「何処に行ってたの?氷雨・・・。」
「美しい女性に誘われて冷ややかな美しい神殿の様な場所に、少し・・・。」
「美しい女性ですって?!」
雪路は声がヒステリックになるので周りがしんとなり、驚いていた。
「妬いてるの?姉さん・・・。」
「・・・・・・・・・。うるさい、この若輩者!!」
「そろそろ山に帰るよ。悪かった。ただ、少し逃げたかったんだ。
古いしきたりや雪男になれだのの命令に嫌気がさして・・・。
大体、こんな美しい僕がどうして毛むくじゃらのおっさんみたいな
怪物になる為に修行しなきゃいけないんだよ。雪男なんてまっぴらさ。」
「・・・わかったわ。何でもいいから降りてきて。
もううるさく言わないから・・・。みんなにも迷惑かけたし・・・。」
後ろを振り返り、「夏菜・・・、みんなごめんなさいね。今から
このバカを連れて山に帰るわ・・・。ありがとう・・・。」
「え!!もう帰るんですか?!」
思わず声に出てしまう僕。
「千尋は黙ってなさいよ・・・。この2人の問題なんだから。」
シーンとする中・・・、
神社の階段を物凄い勢いで駆け上がってくる音がした・・・。
続。
ラストに出てくるのは大体予想がつきそうですがあの方たちです。(笑)
次回、あの方たちとまたどったんばったんします。