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LIFE.1 与えられた力

とりあえず連続で2話投稿

 

 世界がその様相を変えたのは、今から20年前。僕がまだ生まれてなかった頃だ。


 多次元間接触事変と呼ばれる災害が発生した。


 それによって、僕らの住まう科学文明地球と、その異世界であり、パラレルワールドである魔法文明地球とが繋がり、いつでも人間の行き気が可能となった。


 最初、国連は魔法地球と互いに話し合おうと席を設けようとしたらしいのだが、魔法地球はなんの宣告もなく攻撃を開始した。


 結果、異世界間戦争が勃発した。


 始めの頃は、僕ら科学地球の圧倒的優勢だった。

 向こうでは考えられない早さで空を駆ける飛行機、矢の通らない戦車、鎧を貫く鉛弾、広範囲に広がる爆撃。


 無論、向こうの魔法と言う未知の攻撃方法は、科学文明にも通用したが、如何せん防御が薄かった。



 けれども、彼らも自分のホームとなればそう易々と攻め込ませず、寸でのところで持ちこたえていた。




 そしてそれから年月が流れ、戦争が長引けば長引くほど、僕らの科学地球は劣勢へと追い詰められていった。


 その理由は資源の枯渇。


 兵糧と人材さえ揃えれば、単独でも爆撃や攻城が可能な魔法地球人と、兵糧と人材、さらに火薬や鉛などの資源を必要とする科学地球人。


 故に、10年もしないうちには、力量差がひっくり返っていたと言う。


 他にも、人間以外の種族もいる魔法地球は、人間一人では到底勝てない亜人や未知危害生物体、通称「怪獣」を使い、着々と科学地球を押し返していった。





 そして、今から8年前。

 世界の戦いはその様相を変えた。


 その理由は、とある存在の登場。




 【文字(キャラクター)】と、それを持つ【文字付き(キャラクターズ)】と呼ばれる者達。

 その体のどこかに、自分の能力特性を表す、役職(ジョブ)と呼ばれる文字が刻まれ、各人が一騎当千の働きを見せる、規格外の存在達。


 それが両世界にだ。


 結果、これまでの軍事的な攻撃は成りを潜めた。なぜなら、【文字付き(キャラクターズ)】には現代科学の攻撃や魔法は、無効化されるか、そもそも効かないかのどちらかだからだ。


 そして、それからの戦争は、各軍に所属する【文字付き(キャラクターズ)】同士が戦い合う、規模が小さくな物となり、【文字(キャラクター)】を持たぬ人々は、平穏な暮らしを享受し始めていた。









◆◇◆◇◆◇◆



『見つけた………ようやく見つけた……………』





『今度は、離さないからね……………』




◆◇◆◇◆◇◆









 恐怖に彩られた魂が浮上する。


 痛み、臭い、熱、恐怖。

 そういったすべてを思い出す。


「う、うああああ!!」


 堪らず叫ぶと同時に、横たわっていた体が跳ね上がる……………と、


「あだ!」


 ごん、と言う重たい音と共に、ベッドから落ちて頭を床に叩きつけてしまう。


「いたた………ん?」


 打ち付けた頭を押さえながら、辺りを見回す。

 電気の消えた真っ暗な部屋、開いたカーテンから、月明かりと街灯の光が差し込み、中々明るい。


 そこまで認識して、はて? と動きを止める。 




「僕、どんな()を見ていたっけ?」




 酷く怖かったような気もするが、全く思い出せない。


「うっぐ………!?」


 夢の内容を思い出そうとすると、突然堪えきれない嘔吐感が込み上げて来る。


 すぐにトイレへ駆け込むと、そこで限界に達し、勢いよく吐き出す。


「げほ、げほ………なんだってんだ、一体……………」


 嘔吐感が落ち着くのを待って、顔を洗うために脱衣所へと移動し、上着を脱ぐ。



 そしてその時、それは起こった。



「あっ………ぐぅぁ…………っ!?」



 熱。

 まるで、焼いた鉄を押し付けられたかのような熱を、左胸の表面に感じる。


「………っ! ……………っ、っぅ……!」


 声にならない悲鳴をあげ、その場でのたうつ。

 涙が滲み、あまりの痛さに意識が遠退きかける。




 だが、一秒か一分か、はたまたもっとかかったのかはわからないが、暫くすると、その熱と痛みはまるで嘘のようにさっぱりと消えて行った。


「っはぁ、はぁ……………い、今のは…………?」


 汗だくになって、息を切らしながらもなんとか体を起こし、息を整えながら、先程の出来事に頭を巡らせる。



「………あ! まさか!」



 不可解な熱と痛み、そしてそれを受けた場所。

 それらを含めて考えると、とある一つの可能性に行き着いた。



 そして、その可能性を調べるべく、上着を脱ぎ捨てる。



 正直、ワクワクしていない、と言えばそれは嘘になる。


 僕だって夢見る少年なのだ。物語に出てくるような能力に憧れないと言えば嘘になる。

 これで、劣等感にまみれた惨めな日常から解放される!



 そう勢い勇んで鏡を見れば、胸元、それも心臓の真上に位置するであろう場所に、英単語が一つ、書かれていた。



「――――――っ!!」



 その時の僕の喜びは凄まじく、咄嗟に両親を起こさないように声を噛み殺したのは我ながらファインプレーだったと思う。



 胸に刻まれた文字を見る。



 鏡で反転してはいるが、書かれた文字は至ってシンプルだ。







 僕の左胸には、


『NoLife』……不死の一文字が刻まれていた。



つまり【不死者(ノーライフ)】。それが僕に与えられた【文字(キャラクター)】の役職(ジョブ)らしい。






オリジナル小説は久し振りだから、なんかちょっと書きづらいな……………

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