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LIFE.0 ハジマリノ死

どーも、久しぶりの人はお久しぶりです。初めましての方……………の方が絶対多いけど、その方は初めまして、フリムンです。


本作も何卒よろしくお願いいたします。



(H28 1/21)

後に繋げるため、文章を少し直しました。

 

 夢を見た。


 悪夢だった。


 何度も死ぬ夢だった。


 ひとつとして同じ死に方はなく、内容は事故死から自殺、他殺。

 原因だって様々で、刺殺、溺死、絞殺、轢死、圧殺、感電死、撲殺、焼死、毒殺、餓死、死、死、死……………etc.


 何度も何度も何度も何度も、気が狂いそうになるくらいに死を体験して、自分でもなぜ正常でいられるのか不思議なくらいにその夢を見て。




 そして今、納得している。



 ああ、そう言うことか、と。

 なんてひどい正夢なんだ、と。



『ニンゲン………ダクザンゴロジダ(沢山殺した)………ボレ()オメラデル(褒められる)……………?』



 目の前には、圧倒的な死。

 辺りを彩るのは、鮮明な(あか)色と揺らめく(オレンジ)


 その中で、人形(ゴミ)のように折り重なるのは、人間だったもの(・・・・・)



「あ………あ……………」



 体は恐怖に硬直し、腰は抜けて動くことができない。気を失いそうになっても、迫り来る死を意識する度に頭は明瞭になり、目の前の地獄(現実)を認識する。


 股間のところが温かくなり、湿った感触が肌を伝ってくる。


『ア゛ー? ザイゴノィドリ(最後の一人)……………ミヅゲダァ……………』


 僕のことを認識した死が、巨鬼魔(トロール)がニタリと笑い、血で赤く染まったこん棒を振り上げる。


「ひっ……い、嫌だ………嫌だ、死にたくない、死にたくない!」


 惨めに、涙も鼻水も、涎も尿も撒き散らしながら、恐怖に固まる体を無理矢理動かそうとする。

 だが、自分の【文字】の能力もまともに理解していない元一般人、それも、その中でも劣った方である僕なんかにそれが叶う筈もなく、せいぜい匍匐姿勢になるのが精一杯だった。


『ギャッギャッギャッ、ニゲルナァ……………』


 巨鬼魔(トロール)の笑い声が聞こえたと思った瞬間、辺りに轟音が響き、衝撃が体に与えられる。


 そして、少し遅れて、



「あ゛あ゛あ゛ッ!」



 激痛。痛いとすら表現するのも生ぬるく、呼吸が止まるほどの痛みに悶え苦しむ。


 恐る恐る、痛みの発生した両足に目を向ける。



 するとそこに足は無く、ひしゃげた肉と、粉々になった白い塊が、そこに転がっていた。




『ギャギャ、ゴレデ(これで)ニゲランデェ(逃げらんねぇ)……………』



 鬼が嗤う。愉しそうに。

 その醜い顔を歪めて嗤う。


 呆然とする僕の前で、トロールはもう一度こん棒を振り上げる。

 そのまま降り下ろせば、僕の頭はおろか、全身が砕かれるだろう。





「嫌だ、死にたくない……………助けて……………誰か、助け………―――――」












 そうして、今日、竹井大介15歳の、後悔と劣等感と嫉妬にまみれた短い人生は、呆気なく終わりを告げた―――――――
















       ――――――――筈だった。







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