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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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5.時には悩むこともある(4)

 つまり、どういうことかというと。

 キタミが解除するかと言えば、私は同調解除できる、らしい。

 

「佐保は、とても同調しているのが楽な状態らしい。だから、自分では同調を解除したくないんだろう」

 

 私が解除が不得意なのは、元の身体にいるより疑似体と同調している方が心地よいと判断しているからだとキタミは言う。

 だから、彼が解除したいと望むのを確認し、私は渋々解除することにしてるのだと。

 

 通常は疑似体との同調は疲れるため同調するよりも解除する方が簡単なんだとか。

 解除したいと思わなくても、同調していられなくなれば自然と解除してしまう。

 だから疑似体のままで眠れることがまず珍しいのだという。

 

「佐保は、俺の作った佐保と相性がいいんだな」

 

 あくまで疑似体と言わない。

 俺の作った佐保。

 

 キタミは嬉しそうだ。

 キタミを誘拐した少年は疑似体に同調しないことを悔しがっていた。

 現地生物が自作の疑似体に解除したくないほど快適に同調してると知るのは嬉しいものなのかもしれない。

 マニアの気持ちはよくわからない。

 まあ、それを理解する必要もないだろう。

 

 キーンコーン、カーンコーン

 チャイムが聞こえてきた。

 

「あ、学校に戻らなきゃ」

「ごめん。授業をさぼらせたな」

「いいよ、ちょっとくらい。同調すれば覚えるの簡単だから。今回のテストすっごく成績が上がってたよ。毎回、同調して勉強させて」

「いいよ。じゃ、学校に戻ろう」

「キタミも?」

「学校へ行くのも帰るのも一緒って約束したろ?」

 

 そうなのだが。

 キタミは今日学校を休んだことになっており、授業が終わってから行くのはどうだろう。

 キタミには強力忘れろ電波があるから、まあいいのか。

 私達は下校する生徒達の波に逆行し、学校へと向かった。

 

 

 

「米田さんっ、北見!」

 

 私がキタミと一緒に私の教室に戻ると、黒沢がやってきた。

 その表情は固い。

 そういえば、あれから連絡していなかった。

 

「黒沢、くん。お昼は騒がせてごめんね-」

「ごめんじゃない! 二人とも、ちょっと来てくれっ」

 

 私とキタミは顔を見合わせたが、黒沢の後について行くことにした。

 そうして向かった先は、彼の教室だった。

 

「米田さん、無事だったの!」

 

 そう言って私に駆け寄ってきたのは、黒沢のクラスメイトで、一年の時に私と同じクラスだった八坂さんだった。

 

「無事って……」

 

 何を言ってるのかと思ったが。

 私が同調した時に居合わせた女生徒がいたのを思い出した。

 あれは八坂さんだったのか。

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