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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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4.ペンギンでも空を飛ぶ(5)

「キタミ、誘拐されてるんだよね? 知ってる人?」

「知らない奴だ。でも、ここに連れて来られて会った人物なら、たぶん学校の周辺で見かけた奴じゃないかな。佐保が最初に同調してした日の三日前に、あの辺りで」

「それって」

「あの時の事故は、俺を攫った人物と同一人物なんだろう」

 

 最初からキタミの疑似体が狙いだったということか。

 黒沢は、需要がないって言ったのだが。

 キタミの疑似体は、とても貴重なのに違いない。

 

「疑似体を隠しておけばよかったんじゃない?」

「変な場所に格納して、もし佐保が同調した時に疑似体膨張用の空間がなくて圧死したらと思うと、恐ろしくてそんなことできないよ」

 

 うっ何それ、怖い。

 恐ろしすぎる情報を耳にした気がする。

 さっき同調したけど、場所によっては死亡する可能性があった?

 だがしかし、そもそも同調できなくしとけば問題ないと思うのだが。

 違うのだろうか。

 

 いやいや。

 今はそんなことを考えている場合ではなかった。

 

「誘拐犯は逮捕されないの?」

「渡航者間でのトラブルは難しいんだ」

「渡航者?」

「俺達、外からきたもののことだよ」

 

 要するに宇宙人か。

 管理局は傍観するのが主な立ち位置らしい。

 現地生物を傷つけることにはならないから、管理局も動かない?

 それってどうなの?

 

 だから、キタミは武器を持ってて、黒沢は医療キットを持っていたのか。

 宇宙人はみんな仲良しというわけではないらしい。

 大変だな。

 

「あ、動き出したみたいだ」

 

 UFOが動き出したということなのだろう。

 全然わからなかった。

 電車や車のような普通の乗り物にある進む時の加速感というか、そういうのを感じないのはUFOだからなのか。

 

「どうやって帰るの?」

 

「帰ってもらっては困る」

 

 私がキタミに尋ねると、別の方向から言葉が返ってきた。

 周囲が明るくなりギョッとする。

 

 上も下も横も全部透明だったのだ。

 足元には白い雲と陸地と海が見えた。

 まるでキタミは雲の上に浮いているようだ。

 その高さにゾッとする。

 

「それが、お前の疑似体か。いつまでも渡さないからどんなものかと思ったが、ブサイクだな」

 

 な、なんだと--!

 ペンギン姿のこのこのこの愛らしい姿を、ブサイク、だ?

 お前の方が……うっ。

 

 ううっ、なんという美少年。

 宇宙人というやつは作り物だからなのだろうが、なぜこうも美形ばかりなのか。

 

 誘拐犯は、日本語ペラペラだが金髪くせっ毛の綺麗な少年だった。


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