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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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4.ペンギンでも空を飛ぶ(2)

「困るな、誤解されるじゃないか」

 

 ぶつぶつ文句をいう黒沢にムッとする。

 モテる男のぼやきなんぞ知ったことではない。

 黒沢はキタミと違って忘れろ電波が弱いらしく、チョイモテだ。存在感は薄いので、すぐ忘れられるようだが。

 

 だが、今はそれどころではない。

 友人としてキタミが心配じゃないのか!

 

「また何かを作るのに熱中しすぎて、学校に来るのを忘れてるんじゃないか?」

 

 キタミはそんなことがあるのか。

 だとしても、何の反応もないのはおかしい。

 

「メールしても返事ないし、電話も通じなくて、」

 

 私は、誘拐されそうになったことを心配したキタミと先週から一緒に行き帰りしており、今日は朝からキタミと連絡がとれないことを黒沢に説明した。

 だからキタミに何かあったのではないかと。

 黒沢は自分のスマホでキタミに連絡してみてくれたのだが。

 

「俺の方も、繋がらないな」

 

 黒沢は通話を切った。

 コール音は聞こえるものの、キタミが出ないのだ。

 

「私のスマホじゃコールもしないのに、黒沢くんのでは電波が届いてるってこと?」

「電波とは違うんだが、まあ、そうだな。地球のどこかにはいて、電話には出ないだけってことだ」

「じゃ、キタミは無事なの?」

「無事かどうかは……断言できない」

「どこにいるかは?」

「場所も、わからない。ガードがかかってる」

「どうしたらキタミが無事かわかる?」

「……管理局に問い合わせればわかるだろうが、こういう問い合わせは返事が遅い」

「遅いって、どのくらい?」

「返事は早くても明日以降だろう」

「遅いっ!」

「俺に言われても、」

 

 愚痴る黒沢に管理局へ問い合わせてもらった。

 至急、キタミの居場所と無事の確認をしてくれと。

 後は待つしかないのか。

 

「私はキタミのフレンドなんだから、キタミの情報がわかったりしないの?」

「俺にわかるわけないだろう。俺にフレンドはいないんだから」

 

 黒沢は投げやりな口調でそう答えた。

 ちょっと不貞腐れているらしい。

 そうか、黒沢もフレンドを欲しがってるができない寂しい奴なのか。

 

「他に、何か方法は!」

「他にって、だいたい米田さんは現地生物だから、」

 

 現地生物だから何もできないまま黙って待ってろとでも?

 じゃあ黒沢が調べてくれよと思ったが。

 

 現地生物の私ではダメでも、疑似体ならどうだろう。

 そういえば、私はペンギン疑似体とリンクしていると言っていた。

 キタミはあれを肌身離さず持っているのだと。

 

 同調すると、私は疑似体の中へと吸い込まれる。

 なら同調すれば、私はキタミのいる場所へ行けるのでは?

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