3.世間の話題にのれません(7)
放課後、私はキタミとデパートへ歩きながら、話題のUFOについて聞いてみた。
「テレビで海にUFOが出現したって話題になってたらしいよ。アナウンサーが見える人だったのかな?」
「一昨日はまた障害が発生してたみたいだ。だから、見える人もいたんだろう」
「障害?」
「空間歪み系の障害が、最近、頻発してるんだ。佐保が最初に同調した時があったろう? あの時と同じような状況が一昨日の海でも起きてた。偶発的なものかと思っていたけど、そうじゃないかもしれない」
キタミは、可愛い!と興奮する時以外はそれなりにクールな顔をしているのだが、今はやや厳しい表情をしていた。
テレビにUFOが映った状況と、私が最初に同調してしまった状況が同じというのは全然理解できない。
一昨日はUFOが出現していただけだと思っていたのだ。
が、そこに理解は求めない。理解する気はない。
所詮私の理解を超えた現象に違いなく、説明を聞いてもわからないだろうから。
キタミは偶然ではない何かがあると考えているなら……。
「そうじゃなかったら、何?」
「もともと佐保を狙っていたのかもしれない、ということだよ」
それはない。
私は、宇宙人に狙われる特殊要素は皆無だ。
ごく一般的な人間なのだからして。
しかし、私は普通だが、あのペンギン擬似体は特殊な物である可能性はないだろうか。
宇宙人事情はよくわからないが、フレンド・パークで撮影依頼がくるほどの人気になったのだ。
疑似体は、可愛いペンギン姿をしているというだけでなく、他の理由もあるに違いない。
「ふうん。じゃ、どこかにしまっておいたら?」
「佐保を?」
「……あの疑似体を、よ」
私をしまってどうする、キタミ!
「佐保の同調許可がおりてからは佐保とリンクしてる。だから俺が肌身離さず持ってるよ。佐保を手離すなんて無理だ。できない」
無理じゃないと思う。
キタミは疑似体も私も佐保と呼ぶから、訳が分からなくなってくる。
どうもキタミは疑似体と呼びたくないらしい。
だからといって両方を佐保と呼ばれるのは非常に複雑だ。
どうしたものか。
「佐保は可愛いから目をつけられたに違いない。今、佐保の言ってた平和的な武器を作っているところだ。早く装着できるようにするよ」
「キタミが? そういうのって、市販のものがあるんじゃないの?」
「市販? ああ、そういう作られたものを使用するのもアリだが、何が仕掛けられているかわからないから信用できない」
「へえ?」
「そんなものを佐保に装着するわけにはいかないよ」
確かにスマホのアプリも変な仕掛けがされてるのもあるというから、簡単に信頼はできないのもわかる。
しかし、自分で作るって……。キタミ、器用だな。




