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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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3.世間の話題にのれません(4)

「海に行ったのなら、UFO見なかった?」

「えっ?」

 

 お小遣いアップを口にする間もなく話題が大きく転換してしまった。

 全く関係のない話題に。

 

「昨日のお天気中継で、海にUFOが出現したってアナウンサーが騒いでたのよ」

 

 テレビ局のお天気中継は、店がオープンしたとかのローカル情報を交えてお天気の情報を説明する数分間のコーナーで、毎日違う場所から中継している。

 それが昨日はテレビ局のカメラが私のいた海岸の方に来ていたらしい。

 海の近くにはホテルや店が並ぶ一角があって、ちょっとしたおしゃれスポットとなっているので、おそらくその辺りで撮影していたのだろう。

 

「UFOなんて見てないよ。他の人も、別に騒いでるようにはなかったと思う。UFOがテレビに映ってたの?」

「テレビには光る点がチラッと映ってただけ。カラスが飛んでたから、何か光るものでも取り合いしてたんじゃないかと思うんだけどね」

 

 カラスが飛んでた?

 丁度、私が連れ去られようとしていた時、だろうか。

 ポンチョ着てなかったから、ペンギンの姿が映ってるかも?

 どうしよう。

 

 ……。

 別に、どうもしないか。

 たとえ映っていたとしても、ペンギン姿で外に出なければすむ話なのだ。

 

「テレビに私、映ってなかった?」

「映ってるわけないじゃないの。カメラは空ばっかり映してて、アナウンサーが空を指差して喚いてるだけだったわ。結局、天気の話もしなかったし、あれじゃ苦情が殺到してるでしょうね」

「なあんだ」

「早く着替えて来れば? 夕飯は餃子だから作るの手伝って」

「はーい」

 

 私は映ってなかったことにほっとしながら自分の部屋に向かった。

 

 

 ワンピースを脱いで普段着に着替えると、私はスマホでキタミにメールを打つことにした。

 家にもどったこと、お礼と楽しかったこと。

 他に、テレビの事も伝えようかと思ったが、月曜日に会った時に言えばいいかと文字を消した。

 長くなりすぎないように、短くなりすぎないように調整していると、結構な時間が経ってしまう。

 

「佐保ーー、餃子作るわよーー」

 

 はいはい、餃子を作るんだった。

 私は文面を確認して、やっぱりニヤニヤしながら送信ボタンを押した。

 

「はーい、今行くー」

 

 返事来るかなと思いつつ、私はスマホを机に置いてキッチンへ向かった。

 本当に簡単な内容しか書いてないが、キタミがどう思うのかとソワソワする。

 やっぱり女子に送るのとは全然違うなと思った。


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