3.世間の話題にのれません(3)
家に帰ると、さすがにワンピース姿だったので母からのチェックが入った。
「どうしたの、その格好」
ペンギンになって外泊した時は何の変化もなかった(私も忘れていた時だった)から、今回もそうかと思ってたのだが。
そうはいかなかったか。
「うん、海に一緒に行った友達が買ってくれたの」
しかし昨日の外泊はノープロブレムらしい。
管理局の対処内容はよくわからない。
「友達って、変な友達じゃないでしょうね? それ、結構高級ブランドじゃないの」
え、そうなの?
母がブランドを知ってることに驚く。
服には金をかけない人だと思っていたのだ。
これ、百円で買ってきた!とよく自慢しているくらいだから。
私の服も母に任せれば、それ系で揃えられてしまう。
安いだけで、デザインは悪くないものを選んで買ってくるため全身トータル千五百円でも、そこそこには見える。
しかし、そこそこ、だ。
今まではそれで良かったのだが、男子とお出かけには微妙なのが乙女というものであろう。
近頃は自分の小遣いを貯めて服を買っているところ。
なので安くない服の数は、まだ少ない。
高級ブランド店などは通りすがりに見るくらいだ。
「お母さん、ブランド知ってるの?」
「知ってるわよ。独身の時は好きな高級ブランドの服ばかりだったわね。コーディネイトするのが楽だから」
「へぇ。私も着れるのあるかな」
「ないわよ。流行りも違うし、佐保がスーツ着ても似合わないでしょ」
なんだ。
OL服はさすがにパス。
そういう大人の格好はしたくない。
残念。
「で、誰に買ってもらったの?」
「同級生の北見くん。ほら、勉強教えてもらってるって言ってたでしょ?」
「同級生? 高校生にそんなの買ってもらったの?」
ホテルの宿泊料もステーキ二皿と朝食も奢ってもらいました。
内心で付け足した。
「すごいリッチな彼氏ね」
「彼氏じゃないよ。すごくお金持ちなのは確かだけど」
「へー、彼氏じゃないの。へー」
彼氏じゃない。友達よ、友達。
にやにやする母にそうは言ったものの、ちょっと自慢げになっていたかもしれない。
私だって、可愛いって言ってくれる男子がいるわけですよ、母!
見た目だけは人類の男子が。
だからもう少しお小遣いアップを検討していただきたく……。




