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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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2.可愛すぎるのも大変です(11)

「佐保、怒ってただろ?」

「え?」

「嫌なことがあったら、言ってほしい」

 

 キタミは私が緊張しているのを怒っていると勘違いしていたらしい。

 黙っていれば、そりゃわからないよなぁ。

 

「怒ってたわけじゃなくて……緊張してた、だけだから」

「緊張? どうして? この食事、気に入らなかった? やっぱり、ステーキの方がよかったかな」

「いや、そうじゃなくて」

 

 いやいや。

 別に朝からこってりがっつり食べようなんて思ってないから。

 どこまで食い意地が張ってると思われているのか。

 しかし、過去を振り返ると、うん。

 昨晩はステーキ二皿完食したのだから、今は何を言っても無理かも。

 乙女としていいイメージではないが、払拭するには時間が必要だろう。

 

「そうじゃなくて、何?」

「えーっと、何だか他のお客さん達が見てる気がするから、ね。やっぱり子供だからかな」

「佐保は可愛いから。朝食、部屋に持ってこさせればよかったな」

 

 可愛いからの言葉に照れる。

 今はワンピースにパンプスという綺麗な格好をしているせいで、キタミに言われるのもペンギンがね!とか思わなくて、嬉しい。

 お世辞だとわかってても嬉しい。

 

 お世辞?

 キタミ、お世辞なんて言うのだろうか?

 

 待て待て。

 ちょっと待て。

 キタミはお客さんが私を見ていることを、否定しなかった。

 私はそおっと周囲を見回した。

 

 ぽつぽつとこちらを見ている人がいた。

 中にはガン見している方もいる。

 子供だからかと思ったが、そういうわけではないらしい。

 

 何となくだが、嫌な予感がした。

 肌の黒い方、白い方、黄色い方、色々な見目美しい方々が私を見ているのは、どう考えてもおかしい。

 絶対に。

 

「ごめんな、佐保。見るだけなら制限できないんだ。部屋に戻って食べるか?」

 

 やっぱりか。

 やっぱりなのか。

 私を見ているのは、地球人じゃなかったのか。

 こんなにゴロゴロ宇宙人がいるなんて思わないだろう、普通。

 

「いいよ、ここで」

 

 私の緊張は、憑き物が落ちたように消えていた。

 なーんだ、人じゃないのか。

 見てるのが人じゃないなら、全然OK。

 宇宙人? ははは、フレンドアイドルがどうしたこうしたか。

 未確認飛行物体がどうとかだな。ははは、全然無視余裕。

 

 私は目の前の少し冷めかけた食事にとりかかった。

 そして。

 

「服、用意してくれて、ありがとう」

 

 私が服のお礼を伝えると、彼は嬉しそうに笑ってくれた。

 私はキタミが将来貢ぐのを確信した。


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