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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ

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2.家の中を歩いてみよう(1)

 廊下は大理石タイプの床のようだった。

 つるりとした床は歩きやすく、踏み心地がよい。

 

 私はドアの外に出ると、行儀正しくゆっくりとドアを押した。

 ゆっくりと動いたドアがキィッと小さな音を立てて閉じていく。

 

 パタン

 ん?

 

 そして、周囲は暗闇となった。

 

 まずい。

 暗すぎる。

 

 明かりがついていないとはいえドアの隙間から光は漏れているので、真っ暗というわけではない。

 が、ほぼ真っ暗。

 

 今閉めたドアを開けようにもペンギンの手ではドアの取っ手に届かない。

 同じ理由で廊下にあるだろう電気のスイッチにも、恐らく届かないに違いない。

 誰かがどうにかしてくれるまで待つしかないのか。

 

 いや、確かこうしたマンションぽい家の廊下であれば、コンセントの高さに非常用電灯があったりするのではないだろうか。

 もしあれば、それになら手が届くだろう。

 私は廊下の壁にそって歩くことにした。

 

 少し歩いたところで、それらしきものに当たった。

 正解。

 

 私はポンと腰でそれを押し、どうにか電気をつけることに成功した。

 ポアッと電気がつき、廊下が明るくなる。

 

 光源確保よし。

 では家宅探索を続行しよう。

 

 近くのドアを開けようと試みた。

 開かない。

 体当たりしてみた。

 だが、ドンッと鈍い音がするだけで、動くことはなかった。

 やはり、ドアの取っ手を持てなければ開かないのか。

 

 と思いきや、スライドのドアを見つけた。

 これなら私でも開けられる。

 

 スライドドアに手を付いて、腰を入れ横に滑らせる。

 すんなりと開くことができた。

 満足。

 

 そこは、どうやら収納部屋らしい。

 箱がいくつも積まれており、一方には服が吊るされていた。

 この部屋クローゼットとして使用していると思われる。

 

 そして、姿見を発見。

 

 そこではじめて私は自分の姿を見た。

 ペンギンの形をしているが、全身が白い毛に覆われていて、足と嘴は黄色い。

 アヒルの色合いで形がペンギン。

 毛はペンギンの割にはふわっとしているようにも見えるが、濡れていないからなのか子供だからなのか季節によるものなのか。

 生ペンギンなんて子供の頃に動物園で見たきりだ。

 私が詳しく知ってるはずがない。

 だがこの足が極端に短いのは……ペンギンだな。

 

 自分の姿を理解した後。

 私は首を伸ばせばドアの取っ手に嘴が届くことに気づいた。

 ペンギンの首は案外伸び縮みするらしい。

 

 人として、ついつい手を使うものだと考えてしまったのが敗因だったのだ。

 さすがにスイッチには届きそうになかったが、あのドアを開けてしまえばいいこと。

 

 私はスタスタと元の部屋のドアまで戻ると、上を向き、取っ手へと首を伸ばした。

 おおっ、届く!

 

 バンッ

 

 勢いよく開かれたドアは私を直撃した。

 ダメージ、大。

 

 客がいるときには、ドアの開け閉めは注意しろよ。

 そう思った。


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