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ぺんぎん・らいふ  作者: 朝野りょう
ぺんぎん・らいふ+(プラス)

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2.可愛すぎるのも大変です(3)

 身体に感じていた風がなくなった。

 ミニUFOの動きが止まった?

 頭上を見上げると。

 

『こちらは地球管理局。現地生物へ危害を加えたため危険物とみなし消去処分します』

 

 突然そんな声が聞こえた。

 聞こえたというか、耳でというより頭に直接響いてきたような感じだ。

 キタミの話では、管理局とは地球環境保護のため地球に入ってくる外来物を抑制・管理する組織ということだったが。

 

 現地生物へ危害?

 消去処分?

 何?

 

 突然ぱあっと強く光ったかと思うと、一瞬後にはミニUFOは物体の影も形もなくなっていた。

 

 そして私の身体は解放された。

 しかし、それは私が重力に引かれることを意味しており。

 

 おいおい管理局!

 悪者退治するなら、空中に放り出される私の責任もとれ――――っ。

 だが、落下している私に助けはない。

 猶予もない。

 

 うむ、ヤバい。

 私は空中で羽を使い、頭を下に変える。

 それはかなり恐い態勢だった。

 だが、この姿勢で海に突入するしかない。

 

 流線形のペンギンの身体は頭から海に突っ込めば、海面で受ける衝撃をかなり和らげることができるはずなのだ。

 

 加速する落下速度。

 海面がものすごい勢いで迫ってくる。

 私は目を閉じ、息を胸に貯めて、その瞬間を待った。

 

 私は今だけ、飛び込みのゴールドメダリストっ!

 

 

 グボゴボボッッ

 

 冷っ!

 着水と同時に身体を捻った。

 海面での衝撃は多少あったが、身体にダメージはない。

 さすが海を泳ぐ身体だけはある。

 

 水中でくるりと身体のひねり羽も使って方向を転じ、海底へ沈むのを防いだ。

 視界にあるのは海だけ。

 海はだだ広く、横にも下にも終わりがないよう見えた。

 下を見ると真っ暗でとてつもなく怖いので、できるだけ下は見ないようにして上に見えている水面を目指す。

 

 キラキラと太陽の光をうけて波が揺らめく海面は、水中から見上げるととても綺麗だった。

 

 ブハッ

 水面に顔を出すと、未確認飛行物体はまだ空に鎮座しており、カラス達はカアカアと鳴きながら岸へと帰っていくところだった。

 

 カラス達のおかげで岸の方向をすぐさま知ることができた。

 ありがたい。

 彼等が鳴いていたのは、私に岸の方角を教えるためだったのかも。

 水面では波の上下により高低が変化するため、私の低い目線では遠くが見渡しにくいのだ。

 彼等の声がなければ、方向を見誤っていたかもしれなかった。

 岸から離れた私をわざわざ体当たりまでして助けようとしてくれた彼等だ。それほど賢いとしてもおかしくはない。

 

「ありがと――っ」

 

 カラス達に向かって叫んだが、きっと聞こえてはいないだろう。

 こう、遠くては。

 

 それでも、身体を張って助けてくれた彼等にお礼を言わずにはいられなかった。

 ありがとう。

 ありがとう、勇敢なカラスさん達。


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