キャラクターエディット
目を開けると、俺はなにもない白い部屋に立っていた。
目の前には「キャラクター名を記入してください」等の項目が書かれたウィンドウが浮いている。
よくあるキャラクターエディット画面というやつだ。
「さて、それじゃ始めるか」
誰もいない部屋で一人つぶやくと、俺は各項目を埋めていった。
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まず、名前を決めよう。
「ふーむ、どんな名前がいいか………よし」
しばらく悩んだ後で「シーザー」と打ち込む。
なかなか良い名前になったのではないだろうか、被りもないし。
「お次はスキルを…うわ、結構多いな」
スキルの項目を開くと、戦闘から補助、生産、特殊と様々なスキル名がズラリと並んでいる。
スキルの装備上限は10個、いま取得できるのは6個までで、これ以上取得するにはゲーム中でスキル結晶を入手しなければならない。
結晶は敵モンスターが稀に落としたり、特殊なクエストで報酬として用意されていたりするらしい。
入手するたびに入手率が下がるそうなので、スキルの選択には十分注意しなくてはならない。
「さて、どんな武器を使ってみるかな」
戦闘用スキルには武器、防具のマスタリー、各属性の魔法などがある。
これにサブ武器のマスタリーや能力強化、能力減退等のスキルを補助として加えるのが一般的だそうだ(by妹)
脳筋戦士にするか、はたまた魔法剣士にするか。
妄想しながら画面をスクロールしていくと、一つ気になるスキルがあった。
スキル名:ブーストハンマーマスタリー
見慣れない武器名だったので調べてみると、次の内容が判明した。
ブーストハンマー:ハンマーの打撃にブースターによる加速を加えて殴る武器。扱うには技術が必要。
「なかなか面白そうじゃないか、これにしよう」
メイン武器が決まると、後は芋づる式に軽鎧マスタリー(ある程度のスピードが必要なため)、機械技師(特殊な武器の整備兼生産スキル)、精密作業(作業の正確さ、武器の命中上昇)、錬金術(ハンマーの材料確保)、第六感(枠が余ったので使えそうな物を)と決まっていった。
「そろそろ終盤か」
最後に容姿について設定する。
髪の色を金髪に、瞳の色を明るい青にして、筋肉の付き方も調整しよう。
俺はリアルではもやしっ子なため、細マッチョな外見にする。
ええ、見栄を張りましたがなにか?
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初期装備の色を調整し、最後にもう一度確認をしてから作成終了のボタンを押す。
『ようこそ、新しい世界へ』
アナウンスの声を聞きながら、俺は仮想の大地に一歩踏み出した。