表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

6

エセサバイバルっちっくな表現があります。

もしかすると不快に思われる方がいらっしゃると思いますので、スルーをお願いいたします。

森にきて2日目の朝、朝日と共に起きた。


昨日は体育座りで寝ていたが目が覚めた時はやはり地面に横になり、まるで猫のように丸くなって寝ていたようだ。

頬っぺたについた砂を払いながら、徐々に覚醒する意識と共に大きな欠伸を一発かました。


「ふあぁぁ~」


おっさんの唸り声は爽やかな小鳥達のさえずりが心地いい森の中に不協和音の如く木霊した。

あまりにも奇声だったのか一瞬、森が静寂に包まれた気がしたがここはスルーだ。


気を取り直して、朝起きるといつもの習慣で鞄からスマフォを取り出しチェックを始めた。


「やぱり圏外…か。バッテリーももうないし。」


ずっと充電せずにいたのだ、このまま放っておけば午前中でサヨナラだろう。

千春は昨日の考えードッキリでした案ーを棄てきれずにいる。

だから普通に考えて、連絡手段が途絶えようとしている状況に今まさになっている。だが焦りや恐怖心があまりない。

むしろ、使えなくなおのはしょうがないくらいの勢いだ。

変なところで肝が座っている。


スマフォを鞄の中に片付け水を飲もうとしたが、今度こそ焦ったのだ。なんとペットボトルのフタがきちんと閉まっていなかったのだ。さーっと血の気が低く音を初めて聞いた気がする。

嘘でしょ?

心の中で最後に飲んだ時の事を必死に思い出そうとしている。考えても、マイペットボトルの中に水が溜まるわけでもない。水が飲めない!この事態にパニックだ。鞄の中に手をやると一部が薄っすら湿っている。その事実に泣きそうだ。

だが、感傷に浸っている場合ではない。涙を流すということは体内の水を使うこと、これ以上無駄に水分を奪ってはいけない。


昨日は前向きになれたのに翌朝になってこれだ。

沈みそうになる心。


その時、視界に入ったのは一晩一緒に過ごしてくれた大きな樹の葉っぱだ。鮮やかな緑色をしたその葉は露をつけキラキラと朝日を浴びて輝いていた。

千春はそれに釘付けになったのだ。


「み…水だ。」


千春には葉についた露が美味しそうな水に見えたのだ。見れば見るほど喉が渇き、カラカラで、くっつきそうだ。唾もうまく飲み込めない。手を伸ばそうとした時、

心の中で理性がそれを止める。

葉っぱを舐める?どこかでカメラマンが撮影してるかもよ?その姿を全国に放送されてみんなの笑い者だね。

その言葉に千春の伸びた手が留まる。

だけど…26歳の今から出勤しようとしていた女子をこんな森の中に拉致する?どう考えたってそんなことしたら犯罪じゃない!

昨日の変なテンション…疲れきった身体をさすりながら自分で考えたドッキリでした~案を冷静にばっさり否定をした千春。

昨晩の自分がなんだか滑稽だ。


もう充分喉が潤ってない時間が長すぎて我慢ができない!

千春はプライドや理性、恥ずかしいなどといった感情をかなぐり捨てて葉っぱに手を伸ばし思いっきり舐めた。

舌から伝わる葉っぱの柔らかな感触と舌を潤すには充分な露の味。

今まで人と会ってないイコール人が近づかないこの森の空気は美味しく清々しい。この葉っぱの露もやはり空気と同じ美味しかった。

一度全てをかなぐり捨てての行為をすると後は全くと言っていい程、躊躇がなかった。

むしろ、何か自分が覆ってきた殻から脱皮でき、身も心も軽くなった気がするのだ。

千春は次から次へと葉っぱの露をいただいたのだ。

太陽の光で蒸発してしまいそうなので、時間との戦いだ。



なんとか喉の渇きは満たされたので、冷静にこれからのことを考えることにした。








最後までお付き合いありがとうございました。


今回も短いです(^^;;

しかも朝のワンシーンで終了って( ̄◇ ̄;)

ですが、この一件で千春は殻を破り野生児として目覚めていくにです!ってあれ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ