ニートの一日
他サイトに書いたものを写し、更に二、三年ぐらい前に載せたモノを今回訂正しました。今更ですが、消せない黒歴史かもしれません。生暖かい目で見てやってください。
今日は久しぶりに街に出た。
「あー。階段がきつっい」
歩き始めて30分もしたら、足が痛くなってくる。
「くそっ。体力がなまってきたな……」
これでも俺は、高校のときサッカー部だった。
今は見る影もない……。自慢出来るのは過去だけだ。
「よう! 荒川じゃねぇか! 久しぶり! 」
街を歩いていると、茶髪でなかなかのイケメンが声をかけてきた。
「人違いです」
俺は、さりげなくそれをかわす。
「ふぅ。危ないところだったぜ」
以前、俺の苗字を知っていた誰かにカツアゲをされた。
俺が覚えてないだけで、元クラスメートかもしれんがな!
まあ、いい。危険な芽は早めにつむに限る……。
「待てって! 俺だよ! 同じクラスだった、河合 俊だよ! 」
ちっ。しつこい奴だ。その手はくわんぞ!
俺は、歩くスピードを早めた。
「おいおい。ホントにわからねぇのか? 」
いつの間にか追いついた河合が、俺に話しかけて来る。
「いえ、俺は荒川じゃありません。静川です」
「何、言ってんだよ。荒川だろ? 全然、変わってねぇなぁー。五年ぶりぐらいじゃないか? 」
河合は俺に、親しげに話しかけて来る。
くそっ! お前もカツアゲするつもりだな? だが、金はやらん!
「俺、今からデートなんだ」
脳内でな!
「へぇー。そうなのか。荒川の彼女って、どんな感じなんだ? 見てみたいなぁ」
「美人で、巨乳で、おまけに女子高生だ」
ついでに変身出来て、魔法が使えるドジっ子だ。
「ま、マジか! 彼女の友達、紹介してくれよ! 」
だが断る!
「また、今度な。俺は少し急いでるんだ」
そう言って、俺は走り出した。
「おーい! アドレスぐらい教えろよー! 」
そんな声が聞こえた気がしたが、急いでデパートの前に居た空車のタクシーに乗り込んだ。
信号が赤で良かったぜ!
俺は、買い物もせず帰宅の途についた。
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「あー。行っちまったよ。変な奴。……でも、荒川は昔っから可笑しな奴だったよな。いきなり、バット振り回してたし……まあ、いっか。あいつの家の電話に直接かければ。何か、きられそうな気もするけど……」
そうして、帰路につこうとした河合に声がかかった。
「あれ? 河合じゃん」
「おー。西村! 久しぶり! 元気にしてたか? 」
「してた、してた。それより、さっき一緒にいたの荒川じゃないか? 」
「ああ。そうだけど」
「これ、あいつに会ったら渡してくれないか? 」
「ん? それは、いーけど……これなんだ? 」
「金だよ。こないだ、荒川を見かけて声をかけたらくれたんだ。でも、受け取る訳にはいかないし」
「マジか! ……あいつ、何考えてるんだろうな? 」
「さあ。荒川は少し変わってるよな」
最後までお読み下さり、ありがとうごさいました。精進していきますので、また読んでやってくださると嬉しいです。