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暗闇の虚構  作者: 一宮 沙耶
第2章 性転換

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12/28

7話 キャンプ場

それから私は、別のIT会社に転職する。顔採用だったのかもしれない。

そこでも、醜い女達が蠢いていた。

私の殺人のストッパーはもう外れていた。


私が配属された部署の女性達3人。

私がお客様の仕様書を見せてと言っても、うふふと言うだけで誰も見せてくれない。

トイレの個室に入っていると、あからさまに私の悪口で盛り上がっている。


ファイルサーバーを検索するしかないとアクセスすると、アクセス権はなくなっている。

そんなことをして何が楽しいの?

会社は、お客様にサービスを提供する所なのに、違うことに能力を使って。

こんな女性達も生きる価値がない。


この3人の女性は、2週間後にキャンプ場に行くことを聞いた。

今週末には山に登り、トリカブトを採取する。

トリカブトの外見は、とてもふくよかで上品なお花。


トリカブトには、お花にも根っこにも毒素が大量にあると聞いている。

一度口に入れると、味よりは痛みが走るらしい。

これで私が死んだり、皮膚が荒れたりすれば本末転倒だから、慎重に刻み、粉状にする。


それをキャンプ場が用意した飯盒・鍋用と記載されたウォータージャグに入れておいた。

どれがあの3人の女達に配られるか分からないから全てのジャグに入れておく。

このキャンプ場では、イベントということで、司会の合図で一斉に料理が始まった。


誰もトリカブトのことなんて知らずに、イベントは楽しい雰囲気に包まれる。

3人の女性は、旦那や子供達と一緒に来たみたい。

女性達と旦那が料理を作り、子供達は川辺で遊ぶ。

おそらく、日頃から3人の女性達の子供は仲良しなのだと思う。


3人の女性は、笑いながら、料理を進める。

いつもあれだけ人道に反することをしながら、旦那の前では甲斐甲斐しく振る舞う。

本当に裏表のある女性達。早く、死ねばいい。

いえ、もう少しだから待っていてあげる。


カレー作り大会と書かれた看板が入口に立つ。

誰もが、キャンプ場から配られた水を飯盒、鍋にそそぐ。

子供の笑い声が響き、林の影に隠れている私にも声は届く。


1時間ぐらいすると、司会者がさあ、みんなで食べましょうと声をかけていた。

美味しいとか、賑やかな笑い声が響く。

でも、1分ぐらいしたところで、人々は、口から泡を出し、どんどん倒れていく。


目の前で人が死んでいく姿をみて悲鳴もあがったけど、次の瞬間にその人も倒れる。

逃げる人もいたけど、数歩を歩くと、その人も吐血し、倒れた。

キャンプ場は悲鳴の渦が巻き起こる。


悲鳴をあげても逃げられない。

もう体に入ったから、悲鳴とともに吐血して次々と倒れていく。

助けてと目の前の人に手を伸ばしても、自分も目の前の人も苦しみ、倒れるだけ。


川を挟んで私の姿に気づいた人もいた。

助けを呼んでと叫んでいた。でも、もう遅い。その人も血を吐き、倒れる。

私は、人々が、死んでいく様を冷静に観察していた。

人間の最後というものが、どんなものなのかと。


それから30分ぐらいしたころかしら、キャンプ場から声は聞こえなくなり静寂が広がる。

もう終わってしまったのね。もう少し、楽しみたかったのに残念。

川のせせらぎだけがこの空間で流れる。自然の音だけが聞こえる空間は心地よい。

さっきまで、偽りの楽しい声が響いていた空間とはがらりと雰囲気が変わった。


あの3人の女性に近寄ると、口から泡を出して石のうえに転がっていた。

旦那さんが、その女性と子供の上に覆いかぶさる。

助けようとしたのかもしれないけど、バカね。


空から攻撃を受けたわけじゃないのに、覆い被さっても助けられるはずがない。

まあ、あの性悪な女性の旦那でしょう。バカに違いないから、仕方がないか。


3人の女性達は、だいぶ苦しんだのか、石には爪を引っ掻いた痕が残る。

私の苦しみに比べたら、甘いものね。私は優しいから、短時間で殺してあげた。


よく見ると、3人の女性の下半身からは、汚物が流れ出ている。

やっぱり性悪だと、自分の汚物の整理もできないのね。

ああ、汚らしい。まあ、あなた達の最後としては相応しい姿だけど。


あなた達のせいで、ここにいる50人ぐらいの人が死んでしまったじゃないの。

本当に、どうしょうもない女性達なんだから。あの世で、この人たちにお詫びしなさい。

私はその場を鼻歌を歌いながら去った。


1週間後の週末に、このキャンプ場を通りかかった人に、この現場が見つかる。

大騒動になり、多くの救急車、パトカーが集まる。

暑いキャンプ場での死体に、うじ虫がわき、耐えられない匂いだったと伝えられた。

特に、腐った体は半分溶けていて、骨も剥き出しになり、見るに耐えない姿だったらしい。


それに加えて、死体が熊にも荒らされたということも判明した。

というのは、熊が3頭、これもトリカブトで河原に倒れていたから。

熊は内臓を食い散らかし、頭も胴体から食いちぎり、腐った生首がいくつも転がっていた。


私を虐めた女性の生首も川に沈み、割れたスイカのように大きく膨れ上がっていたらしい。

雨に川に流れ出たものの、2つの岩にひっかかり、偶然にもキャンプ場に止まったとか。

そんな汚らしい生首が下流に流れて行ったら、その醜さに悲鳴があがっていたと思う。


あの女性達は、どこまでいっても、汚らしい姿しか待っていない。

まあ、それが本当の姿だから仕方がない。

心が醜いのに、可愛い皮を被って、人間になりすましている女性達がどれだけ多いことか。


最初は何かの中毒かと言われたけど、トリカブトの成分が見つかり殺人だと判明する。

キャンプ場のオーナーが記者会見を開いたけど、自分も被害者だと言うだけだった。

どうして1週間も分からなかったのかと聞かれ、形だけのオーナーだと暴露していた。

このキャンプ場は週末以外は人はいないのだと思う。


私はTVをみて笑いが止まらない。

この世で、私を虐めたり、バカにしたらこうなるの。

私は、神様に認められた神聖な存在なんだから。


そして、これから仕事に専念できる。

会社は働くところなんだから、そのことを知って努力する人だけがいればいい。

人を虐めて、日頃の鬱憤をはらすために来るところじゃないということを知りなさい。


会社のポータルでは、3人の死亡が報告されていた。

誰も、その犯人が私だとは一瞬たりとも想像すらしていないと思う。

職場で、お香典が徴収されていたけど、話したこともないと言い、お金は出さなかった。


あの3人は汚物に塗れながら、その後、腐り、うじ虫がわいていた姿を想像する。

あの女性達の最後には本当に相応しい。

あなた達は、それほど、本心は醜いの。人間のふりをしているんじゃないわよ。


私は、デザートをコンビニで買うために外に出た。

夜といっても、まだ暑い。

空は陽炎のようで星もほとんど見えない。


私は夜道を歩きながら、私の体について考えていた。

この体の女性は処女だったのかしら。

でも、私は男性に抱かれたことはないのだから、私は処女だと言える。

そんな体で隆一に抱かれるのは失礼。


だから、私は、出会い系サイトに登録し、エッチをしてみることにした。

初めの頃は恐る恐るだったけど、こんなに気持ちがいいとは思っていなかった。

ピルを飲んで避妊をすれば、エッチの楽しみに専念できる。


男性の時とは比べ物にならない衝撃だった。

体の中から何かが爆発し、体が震える。

頭の中が真っ白になる感覚だった。


男性のときは、自分の性に違和感があり、本当の喜びを味わえなかったのかもしれない。

よく分からないけど、いずれにしても女性としての喜びは想定を超えていた。


女性になって、周りの女性からいじめられたりして嫌なことも増えた。

生理で体調が悪い時間も増えた。

でも、エッチの喜びは本当に良かったと思う。


そんなことがあともう一回あって、一香を殺害して1年が経った。

そろそろ、隆一と再会するタイミングね。

隆一は前と同じマンションに暮らしていたので、すぐに所在は分かった。

そして、隆一の動きを調べてみる。


隆一は、忙しいのか、大体は家から新宿の会社に往復する毎日。

2週間に1回ぐらい、友達と渋谷で飲んでいた。

それなら、渋谷で再会することにするのがいいわね。


数日後、隆一が渋谷のスクランブル交差点を通るときだった。

チラッと気づくように顔を見せて、静かに消える。

だって、少しぐらい焦らした方が本当っぽいでしょ。


隆一が私を探すのが分かっていたから。

だって、私達って、生まれる前から一緒になるって決まっているし。

また、隆一には、私のことを考える時間をいっぱい使って欲しかった。

それだけ、愛されてるってことでしょう。


隆一が私の顔を見た途端、隆一は、時間が止まったように立ちすくむ。

そして、私に声をかけた。やっぱり、運命だったのね。

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