え?まじで終わったんですけど
「――じゃ、本当になんでもいいんですか?」
学校帰り、ビルの下にある歩道を歩いていると、落ちてきた花瓶に頭をぶつけて死亡した俺は今、目の前で異世界転生について説明している女神に『力』について説明されていた。
「足立冬真さん。あなたは地球という世界で不運なことに亡くなりました。そのため、今から1つ好きな力を差し上げ、異世界に転生する権利を与えます」
「んー異世界転生って言ってもなー。どんな世界に転生するんですか?」
「転生先は、冬真さんがいた世界と違うのは特別な力を使えること、そして魔族を討伐することです。そのため第2の人生を記憶を持ったまま転生します」
「そうですか……でも、転生先で好きな力を使えるようになるんですよね?」
「はい、なんでもどんなことでも力を与えることができます。なのでお金が無限に欲しいならお金が無限に手に入るように異世界を変えることもできます」
「そうですか。なんでもいいんですよね?」
「はい」
「じゃ、転生先で『なんでも思い通りになる力』をください」
「かしこまりました。では準備が整い次第転生を開始いたします」
えっ。ホントにできるんかい!なんてツッコミながら俺は転生の覚悟を決め異世界へ転生した。
――そして俺は異世界に、赤ちゃんとして記憶を持ったまま転生し、本当に力を使えるのか産声を上げる前に試した。
んーじゃまず俺は、めちゃくちゃイケメンで、金持ちで秀才で、高身長で…………etc。
俺は完璧人間になれるように自分をカスタムした。
まぁ、世界も平和だといいよなー。
なんて思いながら人間と魔族の争いがない世界。魔族が敵じゃない世界……etc.
この世界が魔族の恐怖から救われるようにカスタムした。
それから俺はありとあらゆることを自分の思い通りになるように力を使った。
――――そして、俺が15の誕生日を迎えた頃。魔王だという女の子と何故か結婚することになっていた。
その他、この世界の魔族はめちゃくちゃいいやつになって、俺が魔族を討伐する必要がなくなり、ただ平和で幸せに暮らしていける世界になってしまった。
まじ、チートじゃんか……
結局それから俺が死ぬまで全く不自由はなく、討伐とか異世界イベントもなく、誰も悲しむことのない世界が完成していた。
そして最期の日を迎えた俺の最後の言葉は
「え?まじで終わったんですけど」
この作品を読んでいただきありがとうございました!
少しでも面白い、共感したと思っていただきましたらぜひ星1つでもお願いします!
誤字脱字ありましたら、申し訳ありませんm(__)m
最後に、良ければ他の作品も読んでいただけると嬉しいです!