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勇者帝国の反逆者  作者: 畠山こくご
第一章 勇者候補生ユウシ=ハラン
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0. 勇者100人時代

 勇者ーーその言葉がかつて意味したのは、退魔の力を生まれ持ち、魔王を倒す使命を帯びた選ばれし者のことであった。


 しかし、今は違う。


 勇者とは、対魔族の戦闘技能と知識を十分に備え、ルドベキア帝国認定勇者試験に合格し免許を取得した者のことを指す。


 つまり、元来は特定の人物のみを示す固有名詞のようなものであったが、現在は一定の条件を満たした人物全てに当てはまる一般名詞へと変化しているのだ。


 そのきっかけは、1000年も前のこと。勇者によって魔王が倒され、魔族による支配が終焉を迎えると、人間たちの文明は著しく発展を遂げた。

 やがて、勇者にしか扱えないと思われていた退魔の力が科学的に解明され、いつしか知識と技能さえあれば誰でも勇者と同等の力を自在に操れるようになったのだ。


 そして、勇者と呼ばれる存在は100人を超える規模に増え、彼らによって魔族の生き残りたちは次々と駆逐されていった。


 "勇者100人時代"の到来である。


 勇者は最早、努力して相応の実力さえ身につければ誰にでもなることができる存在と化したのだ。

 ……とは言え、帝国認定勇者試験をパスするのは容易なことではない。合格者は年間で3人に満たないほどの狭き門だ。

 それ故、勇者という存在は希少性こそ薄れたものの、依然として"特別な存在"であることには変わりなかった。

 魔族を討伐し、その成果に応じて帝国から支払われる報酬で生計を立てる職業勇者は、言わばありとあらゆる職業の頂点に立つ"勝ち組"に他ならない。

 そのため、ルドベキア帝国に生まれた少年少女たちにとって勇者は憧れの存在である。


 この物語の主人公・ユウシもまた、勇者を志す少年の1人であった。

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