エピローグ
ビビりながらの初投稿です。
温かい目で見てください。
ーーーーー目が霞む。
もう、あまり見えない視界には…………してやったり、なんて言いたげな顔が見えた。身体を壁で支え、手に持つ銃の引き金を引く。
……パンッ。
乾いた音と共に、肩に衝撃が走った。相手がまだ生きているのか確認する事も叶わず、その場に崩れ落ちてしまう。
ーーーー意外と簡単に……人は死ぬんだな。
17年という短い人生の2年目に知った事実を、15年たった今、改めて知ることができた。
それだけで、この任務は充分成功だったと自分の中で言えるだろう……。
わたしは金雀枝琴音。
なんの変哲もない女子高生だ。
……なんていうのはもちろん冗談。普通の女子高生は、いまみたいなことは考えないだろう。わたし自身、自分のことを普通の女子高生だなんて思っちゃいない。当然だ。
わたしは……金雀枝琴音。
なんの変哲もない
ーーー暗殺者だ。
「ふふっ」
自分で言って、可笑しいと笑う。暗殺者に、変哲もくそもあるもんかと。自分は道具で、人ではなくて、ただ使い捨てられただけなのだ。家族でも、仲間でも、部下でもないただの養子。だけど、なにも憂いに思うことはないし、この世界に未練なんて全くなかった。
「はぁ。」
もちろんこれも、この世界を思って吐いた溜め息ではない。今の状況で不似合いな溜め息。
…………面倒臭い、そう思ってしまう。
もう動かしたくないと思っていた腕を無理に動かし、懐を探る。
…………たとえ道具だとしても、自分を使ってくれた家に決して不利益を残してはならない。
ーーーーボタンを押す。
これはただの自爆スイッチ。『わたし』という存在を、この世からなかったことにしてくれる魔法のスイッチ。
そしてわたしは、この世界から消えた。
偉大なる先人がどれほど凄いか再認識。
私に続けられるのだろうか・・・。