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プロローグ
12歳の天才暗殺者ルナはある日突然別世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界はなんと【生物を殺すことが禁じられた世界】だった。
その世界はルナのいた世界とは全く違うものだった。
鳥は囀り、花は咲き乱れ、緑がある。人々は笑い、暗殺者として育てられてきたルナの知り得ないモノを持っているように見えた。ルナのいた世界は、灰塵が吹き荒れる廃れた世界だった。体の弱くなった、金と権力のある人間は自身の体の一部を機械化し貧民は朽ち果てていく。何とも不平等な世界だった。この平等そうな世界は、幸せそうに見える。だが、ルナにはルナの『いつも』がある-…
なんとか元の世界に戻りたいと偶然出会った老爺に言うと「あなたがこの世界にいる間すべての生物を殺すことなく過ごしたら戻れる」と言われ軽く絶望。
ルナは物心ついたときからある強い殺戮衝動に駆られることなく元いた世界に戻ることが出来るのか-?