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ウェカピポVSラーメン屋

ウェカピポVSラーメン屋



ウェカピポは歌いたい 歌うと陽気になるから

ウェカピポは旅行したい もっと日本を見て回りたいから

ウェカピポは四季を感じたい 日本の素晴らしい一面であるから


ウェカピポは最近コンビニのヌードルを食べ過ぎて本場のラーメン屋へ行きたかった。しかし寿司屋の一件以来、外食はなるべく控えていた。だが日本のラーメン文化に触れずして日本を語れぬと察したウェカピポは週末は必ずラーメン屋でラーメンを食すと決めていた。


ラーメン1日1万杯!!日本で消費されるラーメンの杯数は軽く1万杯を越えるであろう・・・

物凄い勢いで消費されてゆくラーメン。まさに国民食!!ラーメン屋へ行かずに何処へ行くというのか!!いざ行かん!目指すはラーメン屋!!!!


ウェカピポは威勢よく近所のラーメン屋のノレンをくぐった・・・!!


「らっしゃーーい!!一名っすねぇー!!カウンターどぞーーっ!!」


ウェカピポの威勢の良さに負けんばかりの掛け声でウェカピポを迎える店主!

ウェカピポも負けじと店主に応える!


「らっしゃいましたぁ!!ラーメンお願いシャス!!」


「醤油!?塩!?味噌!?豚骨!?」


店主が間を置かずウェカピポに問いただす!ラーメン屋の知識があまり無いウェカピポは一瞬戸惑ったものの持ち前の威勢の良さで華麗に返す!


「醤油でお願シャス!!」


日本といえば醤油!醤油といえば日本!それがウェカピポが思う日本像である!!だが店主の返しは止まらない!?


「あっさり!?こってり!?それともこっさりすか!?」


怒涛の如く詰め寄る店主!人気店ゆえにダラダラ説明をしている暇は無いのかもしれない・・・ウェカピポは店内を見渡したが席はチラホラ空いている・・・しかし店に入ったからには店主がルールである!ウェカピポ考える時間を捨て威勢よく応える!!」


「こってりでお願シャス!!」


醤油こってり一丁!!!店主のコールが店にこだましたかと思えばすかさず怒声がウェカピポに飛んでくる!!


「麺の固さは!?」


ワッツ!?麺の固さ!?ワッツ!?何だそれは!!ウェカピポ一瞬思考が停止する!!するとすかさず店主の罵声が響き渡る!!


「やわ!?普通!?かた!?バリかた!?ハリガネ!?粉落としかい!?!?」


ウェカピポ次第に店内の異様な熱気に飲み込まれつつあったが持ち前の威勢の良さで正気を保ちつつ応える!?


「か、固めお願シャス!!」


すると1秒の間も置かずに店主が声を荒げる!!


「ニンニクどーしますー!?」


「ニンニクお願シャス!!」


まだまだ店主の荒ぶりは止まらない!


「ネギは!?抜き?あり?多め!?」


「ありでお願しゃす!!」


まだまだくるよぉぉ!!!!!


「背脂抜き!?あり!?」


「背脂多めでお願シャス!!」


「ウチは背脂増しはやってねぇからッ!!」


店主の荒ぶり声が店内に響き渡る!!他の客は見て見ぬフリ聞こえぬフリで己のラーメンを無心で啜っていた!!ズルズルー!ズズルーー!!


そこに追い討ちをかけるように店主がウェカピポを睨みつけ問いかける!!


「一味入れとくよー!?」


「お!お願シャス!!」


ウェカピポはすでに満身創痍であったがなんとか耐え抜いた・・・

怒涛のような詰問を耐え抜いた・・・

遂に食せるのか!!本場のラーメンを!!!


「醤油こってり麺固ネギニンニク背脂一味入りお待ち!!」


遂にきたッッ!!ウェカピポ念願のラーメン!!これでまた日本の知識を1つ得られるッッ!!


だがしかしッッ!!


「スイマセーン!!お箸がないオーーー!!」


ウェカピポ食べようとしたが箸が無い事に気付く!!すると店主!顔を真っ赤にしてウェカピポに怒声を飛ばす!!


「お客さん!!ウチは箸と水はセルフだよ!!入り口に張り紙してあんだろっ!!ノレンくぐったら箸と水入れて席で待っててくんないと!!他の客に迷惑かかっちまうよ!!」


だがしかし席はチラホラ空いている・・・

ウェカピポはスイマセンと告げると入り口に戻ると箸を持ち席に着くと無心でラーメンを啜った・・・

ラーメンを啜り終えるとウェカピポはレジへ行き会計を済ませた・・・すると店主がボソっと一言。


「ウチのラーメンはまずスープから味わって頂きたかったんだけどね・・・まぁ外人サンだし今回は見なかった事にしとくよ。次からは気を付けてね。」


ウェカピポはぺこりと会釈を済ますと帰宅し歯を磨くために洗面台へと向かった。

そこで初めて自分が涙を流している事に気付いた・・・


客に1から10まで細かく注文を迫り食べ方にまで注文を付け最終的に外人だからと済ませるラーメン屋の店主が許せなかった・・・

なによりそれを受け入れ文句の1つも返せず郷に入れば郷に従えの精神で無言でラーメンを美味しく頂いてしまった自分自身がなにより許せなかった・・・


しかしウェカピポは次の日も威勢よくコンビニラーメンを啜るだろう・・・

そしていつの日かまた、威勢よくラーメン屋でラーメンを啜るだろう・・・.


その威勢の良さが彼の取り柄なのだから。

それを失くせばウェカピポはウェカピポでなくなるのだから・・・

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