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座敷親父  作者: 成宮カナタ
第壱章
3/20

第弐話:吾輩は座敷童子である

「──オッサンじゃん!!」


 毅の「座敷童子」発言に、ほぼ反射的に叫んだ。突っ込まずにはいられなかった。

 座敷童子って妖怪だか精霊だか神様だか、そんな感じの何かだろうとか、そんなものが存在するのかとか、それ以前の問題である。

 「童子」は、子供のことを表す言葉だ。この男に当てはまる筈がない。当てはまるどころか、真逆の位置にいると言っても過言ではない気がする。

 毅は再びゲラゲラと大笑いし始めた。


「だはははは!違ぇねぇ!」

「あなた……」


 諌める様に毅に声をかけた多恵の頬が、ピクピクと引き吊っている。笑いそうになるのを、必死で堪えているのだろう。


「お前ら、全員揃いも揃って失礼だな……」


 毅曰く座敷童子の彼は、気だるげに息を吐き出しながら、首の後ろを掻く。

 失礼とか言われても、彼が童である訳がない。


「座敷親父の間違いじゃないの」

「座敷親父!?ぶはははは!!そりゃ良い!咲希、お前才能あるな!」


 毅が大喜びしている。元気なお祖父ちゃんだ。


「おい、喜助!お前、これからそう名乗れ!」


 楽しそうに笑いながら、毅は彼の背中をバシバシと叩いた。力を加減していないのか、響く音がとても痛そうだ。

 彼の名前は、喜助と言うらしい。

 喜助の身体が、毅に叩かれる度にぐらぐら揺れる。彼は顔をしかめた。


「痛いっての」

「ん?おお、悪ぃ悪ぃ!」


 毅は叩くのを止めると、缶ビールをグイッとあおり、空になったのであろうそれを机に置いた。謝罪は完全に口先だけのもので、毅に悪びれる様子はない。


「そう名乗るのは別に構わんが、相手は訳が解らねぇんじゃねぇか。座敷親父なんて種族はねぇからな」


 喜助も別段それを気にする風もなく、先程まで浮かんでいて、今は机の上にある例の缶ビールを持ち上げ口をつけた。


「いや、貴方に座敷童子と名乗られても、訳解んないんですけど?」


 咲希は彼らの会話に割り入る。

 確かに座敷親父と名乗られても、「聞いた事ねぇよ!」と突っ込んでしまうが、喜助の場合、座敷童子と名乗られても「童子じゃなくね!?」と突っ込まれるだろう。

 事実、咲希は先程そう突っ込んでしまった。

 いや、それ以前に。


「座敷童子って何」

「あら。咲希、座敷童子、知らないの?」


 多恵が意外そうに目を円くする。

 咲希は否定する様に首を横に振った。


「いや、『座敷童子』って言う概念は知ってるよ」


 詳しく知っている訳ではないが、子どもの姿をしているだとか、座敷童子のいる家は豊かに暮らせるだとか、ぼんやりとした知識ならば持っている。


「そうじゃなくて、この人が座敷童子ってどう言う事、って意味」

「どうって、そのままの意味よー?ねぇ?」


 幸子は頬に手を当て、不思議そうに首を傾げながら喜助本人に同意を求める。

 喜助は軽く頷いた。


「おう。座敷童子の喜助だ、よろしく!」


 彼はほぼ無表情で敬礼の様なポーズをした。台詞と顔のテンションが全く一致していない。よろしくして欲しいと言う意志が全然伝わって来なかった。

 そして、相変わらず「座敷童子」の「童子」に物凄い違和感を感じる。


「驚く程に信じられません」

「何がだ」

「貴方が座敷童子だと言う事が」


 咲希はズバリと言い切る。

 まず第一に、座敷童子なんて存在が実在していると言う事が信じられなかった。

 座敷童子なんて存在は、昔の人の妄想の産物だ。咲希はそう思っている。そもそも、幽霊なんて見間違いだし、妖怪だって何かの勘違いなんじゃないのだろうか。


「何だ、人間じゃねぇって言う証拠が欲しいのか?」


 喜助は面倒臭そうな顔をして、ため息を吐く。コン、と軽い音を立てて缶ビールを机に置いた。

 そう言えば、あれはつい先刻までは空中に独りでに浮いていた、怪奇現象缶ビールだ。何故、彼が飲んでいるのだろう。


「え、証拠あるんですか?」

「んー……証拠になるかは知らんが、言霊なら使えるぞ」

「……はい?何?ことだま?」


 聞きなれない言葉に、咲希は首を傾げる。

 喜助は「知らねぇのか」と面倒臭そうに呟き、首の後ろを掻いた。


「まぁ、実際やった方が早ぇか」


 そう言うと、喜助は右手の人差し指と中指の二本だけを立て、他の指は握り込む。そして、その指先を咲希の方に向けてきた。


「? 何、」

「起立」

「は?えっ、わっ!?」


 急に何を言い出すのかと眉をひそめた瞬間、咲希は立ち上がってしまったていた。

 その気はさらさらなかったと言うのに、だ。自分の意志などではない。


「方向転換、右」

「のわっ!?」


 言われた通りに、身体が勝手に右を向いた。


「歩行」

「えっ、わっ、ちょっ!?」


 今度はいきなり歩き出してしまう。

 身体が自分のものでなくなっている様な感覚はない。ちゃんと、手の指先、足の爪先まで、「これは自分の身体で、自分の意志で動かすことが出来る」と言う意識がある。

 それなのに、身体は咲希本人の意志とは関係なく、喜助に言われるがまま動いている。

 だからこそ、物凄い違和感を感じた。何だか気持ち悪い。


「げ、ちょっ、」


 咲希は歩き続ける。──障子に向かって。

 前に障害物があっても、自分の意志で動いている訳ではないので、止まることが出来ない。


「わ、わ、わ……!」



──突っ込む!



 今から来るであろう衝撃に、咲希が思わず目を瞑った時だった。


「停止」


 喜助の声が響く。相変わらず、やる気がなさそうな声だ。その声を合図に、咲希の身体は歩くことをピタリと止めた。

 咲希は恐る恐る目を開ける。障子は、思っていたほど目の前にある訳ではない。その代わり、足元を見ると、咲希の足はあと一歩踏み出したら障子を蹴破っていたであろう所まで来ていた。

 蹴破るとは言っても、咲希にそのつもりはなかったのだから、勢いもなく歩いて、障子に突撃するだけだっただろうが。しかも、爪先から、思い切り。その衝撃を想像して、咲希はゾッとした。


「何、今の!?」


 焦りと、混乱と、少しの恐怖を感じながら、喜助の方を振り返る。

 喜助は指を元に戻し、机に頬杖をついていた。


「何って、言霊実演」


 真顔でサラリと返される。

 喜助の横で、毅が懐かしむ様な顔で何度も頷いていた。


「それ、俺もやられたなぁ……」

「えっ、まさかの!?」

「まぁ、俺の場合、止めてもらえなかったからそのまま障子に突っ込んでったけどな!」

「わあっ、超酷い!」


 喜助も酷いが、その状況も相当酷いものだったに違いない。

 障子を突き破って部屋から歩み出てくる若い毅。想像すると微妙に笑える。


「あら、私はちゃんと止めてもらいましたよ」


 多恵が、驚いた顔で頬に手を添えた。

 彼女の言った内容の方が咲希には驚きだ。


「待って、お祖母ちゃんもやられたの?」

「えぇ、嫁入り初日に」

「なんと手酷い歓迎!」

「歓迎してやった訳じゃねぇぞ」

「なお悪いわ!」


 喜助は顔色一つ変えやしない。咲希の言葉など、どこ吹く風とでも言うようにだらけている。

 若干イラッとした咲希が拳を握ると、幸子が発言権を求める生徒よろしく手を挙げた。


「はいはーい。お母さんもやられました~」

「やりまくりか!!」

「言葉で説明するより早いだろ」

「私、全然理解出来てないんですけど!?」


 咲希の主張に、喜助はあからさまに顔をしかめる。

 そんな顔をされても、理解出来なかったのだから、仕方がない。

 咲希には、突然身体が勝手に動き出しただけのようにしか思えないのだ。何故そうなったのかなど、全く解らない。

 喜助はさも面倒臭そうにため息を吐いた。


「あー……しょうがねぇな……説明してやるから、よく聞けよ」

「えーと……ありがとうございます」


 一応礼を言ってから、咲希は元の位置に戻り、そこに座る。隣に座っていた幸子が、入れ替わるように立ち上がった。


「その間に、フォーク持ってくるわね~」


 そう言うと、幸子は襖を開けて部屋を出ていく。大方、自分がケーキを食べたくて仕方なくなってきたのだろう。

 それを見送りながら、喜助は口を開いた。


「まずな、言葉にはそれぞれ意味があるだろ?」

「うん」


 肯定する様に頷く。

 言葉にはそれぞれ意味がある。当然のことだ。言葉に意味が無ければ、会話など成立しない。


「同時に、言葉には霊力が宿ってる」

「はい?何?霊力?」


 急にぶっ飛んだ事を言われ、咲希は思わず眉間に皺を寄せた。

 何だかいきなりオカルトチックな話になった。いや、先程の身体が勝手に動いた事は、確かにオカルトなのかも知れないが。


「そうだ。言霊は、霊力でその言葉の意味通りの事象をもたらす」


 喜助は何でもない事のように語って見せる。


「…………」


 喜助の言葉は、完全に咲希の理解のキャパシティーを超えていた。咲希はポカンとしてしまう。

 しかし、どちらかと言えば、喜助の言っている意味が解らないと言うより、信じられないと言った思いの方が強かった。

 喜助が何を言いたいのか大体は解るのだが、頭のどこかで「それは有り得ない」と思ってしまっている自分がいる。


「……簡単に言うと?」

「言った通りの事が起きるってことだろうよ」


 黙って聞いていた毅が、喜助の説明を噛み砕いてまとめた。

 咲希は呆然とする。毅が言ったことは、頭の中でぼんやり理解していた内容と、寸分違わなかった。

 はっきり言ってしまえば、そんなこと、信じられる訳がない。

 だが、咲希はおそらく、既に彼の言う「言霊」を身を以て知ってしまっている。


「……じゃあ、さっきのは……」

「俺が言霊使って、お前の身体動かした」


 喜助は事も無げに頷く。

 やはり、そうだった。先程のアレは、喜助が言霊を使ったからこその出来事。

 そうでなければ、反射でもないのに身体が本人の意志とは関係なく勝手に動くなど、有り得ない。と、思う。

 「気付いたらやっていた」とか、「する気はなかったのに身体が勝手に動いていた」と言う発言があったりするが、それは本当は頭のどこかにそれをしたい欲求があったのだと思う。


「あの、質問があるんですが」


 頭の中に疑問が浮かんだ咲希は、喜助に向かってはい、と挙手してみる。


「却下」

「何でじゃ!」


 スパッと拒否され、咲希は思わずドンッ、と机を拳で叩いた。

 喜助は無表情で首の後ろを掻く。


「えー……だって、俺が答えんの?」

「他に誰が答えるんですか」

「全力で面倒臭ぇ」


 咲希は手元にある自分の分のケーキを、パイ投げの要領で喜助の顔面に投げつけたくなった。ギリギリのところで、何とか堪える。本当にギリギリだった。

 喜助は素知らぬ顔で、怪奇現象缶ビールの中身を飲み干す。


「答えて下さい」

「えー……」

「えー、じゃない。オッサンが拗ねても可愛くありません」


 妙に美人なせいで、絵にはなるだろうが。

 とか思ったが、絶対に言わない。誰が言うかそんな恥ずかしいこと。

 かったるそうな顔をする喜助を、苛立ちを込めて睨む。


「じゃあ、五つまでだぞ」

「何ですかその『オヤツは五百円まで』みたいな言い方。て言うか五つって意外に多いな」


 ちなみに、「オヤツは五百円まで」の派生で、「お菓子は三つまで」と言うのがあったりする。この場にはまったく関係ない話だが。

 どうやら喜助は、面倒臭いとか言っていた割に五つもの質問に答えてくれるらしい。

 本当は質問される事にノリノリなんじゃないのか、と咲希は微妙に思った。


「じゃあ、質問です。言霊は、何に対しても使えるんですか?」

「あー……答えは否、だな」


 喜助は頬杖を止めて、腕を組む。


「言霊は、俺の声が聞こえる範囲内でしか作用しない」

「何でですか?」

「声を媒体にして作用してんだよ。文字でもいけるけどな」


 そう言いながら、喜助は自分の喉を指差した。

 文字でもいけると言う事は、お札みたいなものでも効果を発揮すると言う事なのだろうか。書けば実現するみたいな事なのだろう。それだと、七夕の短冊の可愛いげが一気になくなる。


「だからまぁ、対象に俺の声が聞こえてなきゃ、効果はねぇ」

「え、じゃあ耳栓してれば効かないんですか?」


 何て簡単に対処出来るんだと、咲希は若干呆気にとられた。

 そんな咲希に、喜助は逆に呆れた様にため息を吐く。


「阿房。耳栓したくらいで、人の声が完全に遮断出来るか」

「あー……」


 言われてみれば確かにそうだと、咲希は納得した。

 耳詮をしたって、人の話し声は割と聞こえるものだ。テレビからの声も意外に聞こえたりする。


「何となくでも、何て言ってるか解らなくても、声が耳に入れば言霊は効力を発揮する」

「え、じゃあ、さっき」

「ただいまぁー、フォーク持って来たよー」


 咲希が疑問を口にしようとした所で、空気を全く読んでいない暢気な声を上げながら、フォークを五本手に持った幸子が部屋に戻って来た。

 出端をくじかれた気分になり、思わずじとっとした目で幸子を見てしまう。

 そんな事など歯牙にもかけず、幸子は咲希の隣に座ると各々にフォークを配った。


「ふふー、今日のケーキは自信作よー。いただきまーす」


 いの一番にケーキにフォークを突き立て、幸子は幸せそうにそれを頬張る。


「我が母ながら、何て自由なんだ……」


 咲希は染々とそう思った。

 一応、咲希の誕生日を祝うために作られたケーキの筈なのに、作った本人が一番嬉しそうだ。


「おーし、俺も食うかな」

「私もいただくわ」


 毅と多恵も、意気揚々とフォークを持ってケーキを食べ始めた。この二人は、年配の人によくある「洋食嫌い」とは程遠いところにいる。好奇心旺盛なのか、和食も洋食も中華も、初めて出会う様な料理でも、二人は何でもよく食べた。

 喜助もケーキを食べている。和服の美人(男)がケーキを食べている図というのは、なかなか奇妙な光景

だった。

 自分だけ食べないと言うのも癪なので、咲希もケーキにフォークを入れた。甘過ぎないクリームと、ふわふわのスポンジ。幸子は料理に関してはプロ並だ。異様に美味しい。

 一口目を飲み込むと、咲希は気を取り直して質問を再開する。


「さっき、私に言霊を使った時、お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも、お母さんも聞いてましたよね。何で何ともなかったんですか?」

「んー?」


 喜助はモシャモシャとケーキを咀嚼しながら顔を上げた。和服のオッサン(美人)とケーキ。やはり奇妙な組み合わせだ。

 ごきゅっ、と口の中のケーキを美味しそうに飲み込み、フォークを再びケーキに差し込んでから喜助は口を開いた。


「そりゃ、俺が言霊の標的をお前だけに絞ったからな」


 答えてから、彼は次の一口を口に運ぶ。ほぼ無表情なのに、物凄く嬉しそうに見えるのは何故なのだろうか。


「そんなこと出来るんですか?」


 疑問を口にして、咲希も負けじとケーキを食べる。何に負けじとしているのかは、自分でも解っていない。

 喜助はもぐもぐと口を動かしながら、左手を肩ほどの高さまで上げ、人差し指と中指だけを立てて他の指を握り込む。

 先程、咲希に言霊を使用した時に右手でやっていた手の形だ。

 その形の左手をひらひらと振りながら、喜助は口の中を空にしてから答える。


「さっき、これでお前を指しただろ。これで指された対象が、言霊の標的になる。ま、別に手以外でも出来るが」

「指さないと、どうなるんですか?」

「標的が絞られねぇから、声を聞いた全てに作用する。で、その数が多いと俺が倒れる」

「はい?」


 意味が解らない。咲希は思わず顔をしかめた。

 何故言霊を使った本人が倒れるのか、謎だ。


「言霊使うには、少なからず俺の妖力を使うからな。まぁ、体力みたいなもんだ」

「……ソウデスカ」


 棒読みな返事を返す。妖力とか、何か変な言葉が出てきて反応に困った結果だった。

 体力みたいなもの、と言う事は、使い過ぎると疲れて倒れてしまうとか、そんな感じなのだろう。取り敢えず、そう解釈しておく事にする。


「あと、その言霊っていうのは、人以外にも作用するんですか?」

「……まだあんのかよ」


 喜助は至極面倒臭いと言う風に眉を寄せ、口元を歪めた。


「もう五つ超えてんぞ……多分」

「学生なので、知的好奇心が強いんです」


 いけしゃあしゃあと胸を張って断言する。

 ちなみに、学校の勉強に対する咲希の知的好奇心はほぼ零に近い。


「なので、答えて下さい」

「面倒臭ぇな……後は毅に聞け」


 喜助はシッシッ、と小動物でも追い払うかの様に手を振った。


「おう、何だ、俺か!?」


 喜助の隣でケーキをパクついていた毅が、急に話をふられ驚いた様に勢い良く顔を上げる。

 無茶振りもいいところな気がするが、一応そのまま毅に質問してみる事にした。


「言霊って、人以外にも作用するの?」

「おう、するぞ、確か」


 毅は存外アッサリと頷く。


「見た事あるのはアレだな、水が凍った」

「水に向かって凍れって言ったの?」

「おう」


 どういう状況でそうなったのか不明だが、毅によると人相手じゃなくとも言霊の効果はあるようだ。喜助も否定しないところを見ると、間違っている事はないだろう。否定する事すら面倒臭がっている訳ではない限り、の話だが。

 咲希はトスッ、とケーキにフォークを突き刺しながら思考を巡らせる。

 今まで聞いた話を総合して考えると、言霊とやらは普通の人間に使えるようなモノではない。

 そうすると、彼は本当に人間ではない、と言う事になる。仮に人間だとしても、かなり特殊な部類に入るだろう。

 咲希は一口分のケーキを口に突っ込んだ。糖分を補給して、さらに思考を広げていく。

 では、喜助は何者なのか?


「……座敷童子」


 ポツリと、誰に聞かせる訳でもなく呟いた。

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