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人間界 ターゲットの捕獲

晶「どうも、後任としてきまった晶です」ネコ「サブのネコです」晶「いやぁ、またこんな形で出れるとはおもわなかったな〜」ネコ「ああ、ほぼ日替わりだな………」晶「じゃ、今日は顔見せということで今後よろしくお願いします」ネコ「評価、感想、その他………」晶「その他!?何それ?」ネコ「……よろしくお願いします」

六、

「安全かどうか…………試してみるか?」

「じょ………」


ぱぁぁぁぁん!!


「せ、先輩っ!!」

 悪魔の黒い羽根が飛び散り、レーミと名乗った盗賊団団長さんは驚いた顔をする。

「………嘘」

「いや、本当…………じゃ、シノンのほうの翼もいただきますかね…………」

 俺はトリガーを無慈悲に打ち抜き………まったく、こういった表情は見たくないね、別に怪我とかさせているわけじゃないんだが…………地に堕ちる姿って奴か?プライドが高い奴ががっくり来ている姿とかあんまり見たくない。まぁ、俺が何もしなければいいって話なんだがな…………

 両方の翼を俺は消し飛ばし、今度は確実に相手の額へと向ける。

「…………投降するなら撃つのやめるぜ?」

「と、飛び道具なんて卑怯よ!きちんと剣を使いなさい!」

 レーミのほうはそんなことを口走っており、シノンのほうはゴーレムの肩に死んだような目をして座っている。

「…………わかった、別に構わないけど…………それが済んだら投降するか?」

「しないわ!絶対にこの私があなたを倒して見せますもの!」

 彼女は剣を生成し、俺へとその切っ先を向ける。俺も拳銃を懐にしまうと剣を生成………

「じゃ、ちゃちゃっとやっちゃいますかね〜」

「く、いきなさい!ゴーレム!」

 誰が作ったかわからんがとりあえず今までその存在を忘れ去られていたようなゴーレムが動き出すが…………


ぬごごごごごご…………


 めちゃくちゃ緩慢な動きで、こいつ相手なら別に銃を使っても構わないだろうから俺は銃を取り出して右腕、左腕を打ち抜いていく。

「嘘!?」

「本当………」

 右足を打ち抜くとゴーレムの右肩に乗っていたシノンが落ちてくる。

「きゃ、きゃあああああああ!!!」

「ちっ」

 俺はあわてて落ちてくる彼女をキャッチ…………危なく怪我をさせるところだった。怪我させたら先生がおっかねぇ顔になって襲ってくるからなぁ…………

「っと、怪我はないか?」

「え、う、うん」

 シノンを立たせて俺は剣を相手に構える………レーミは倒れて動かなくなったゴーレムに何とか乗れていたようだった。

「わざわざ獲物を助けるなんて変わった趣味ね?自らの手でいたぶるのが趣味なの?」

「俺はあんたみたいな人のほうが好きだが…………今のは成り行き上だ。というか、銃で羽を打ち抜いてたのを忘れてた」

 俺はそういって走り出す。RPGに出てきそうな一般的な剣を相手へと叩きつけるのではなく、投げつける!

「く、それは剣術じゃないでしょう!」

「もっともだ………と、言いたいところだが俺は剣を手にすればそれで剣術だとおもってるんだ」

 剣を避けたレーミに抱きつくようにして捕縛。俺は相手が持っていた剣を吹っ飛ばす。吹っ飛んでいった剣はシノンが寄りかかっている壁の…………シノンのすぐ右側にささる。

「ひっ!」

「おっと、今度近隣の人の家の壁を塗りなおさないとな………っとに往生際の悪い人だ!」

 俺は相手を押さえつけてすばやく首元に保健室の先生から渡された麻酔薬を打ち込む。

「ぐぅ………な、何を打ち込んだのよ!」

 意識ははっきりとしている状態で、体が動かなくなるという特殊な麻酔を打ち込んでやった。

「これでよし…………楽しみたいところだが…………シノン、お前もまだ暴れたりないか?」

「…………」

 彼女は無造作に手をあげる。

「やれやれ、やっと終わったか…………」

 シノンが手をあげたのを確認した俺は動かなくなったレーミを担ぎ上げたのだった。

―――――

「先生、戻ってきましたよ」

「ごくろーさん」

 保健室ではブラックコーヒーを飲んでいる先生の姿を確認することが出来た。

「怪我とかさせてないだろうな?」

「ええ、翼は撃ちぬいて動けなくはしましたが、体のどこにも傷は負わせてないんじゃないかと…………なんなら、今からボディータッチで確認しましょうか?」

「やめとけ、そうしたら私がお前をしとめなくてはいけないからな…………ご客人を保健室のベッドへ」

 なんだかその台詞って…………エロい気がする。

「縛ります?」

「彼女たちが暴れるならばな…………おっと、お前に縛らせると変な縛り方するからな」

 レーミに触れようとした俺の手元にメスが飛んでくる。

「…………冗談です、彼女たちは無抵抗ですから縛るのは必要ないかと…………説得しましたし………」

 レーミを俺はベッドに放り投げるようになってしまい、彼女は顔面を枕に埋め込んだような感じになった。

「一人は神経系の麻酔をされて、片方はお前の動作にいちいちびくついてるぞ?」

 レーミにぴったりと寄り添っているシノンは目を赤く染めている。いや、元から悪魔って目が赤いから涙目になっているっていったほうがいいかな?

「え〜と、こっちがレーミだったか?」

「ええ、そうですよ」

「ふむ、ではレーミ…………お前たちは何しに来たんだ?」

 先生の質問に彼女は口を動かさない。

「シグマ、こいつに打った麻酔………そんなに強い奴だったのか?」

「いえ、そこまで強くしてません、きっと反抗期なんだと……………」

「成る程、これだから魔王の娘は困るな…………」

 ま、魔王の娘?

 俺は真相を聞くためにシノンの脇をつつく。

「ひゃぁぁぁ!?」

「こら、シグマ………ちょっかいを出すな」

「ああ、すみません…………ちょっと、シノンいいか?」

「え、あ、は、はい…………む、無抵抗ですから暴力はやめて下さいっ!!」

 先生の視線がこちらへと向く。

「いや、暴力じゃなくてちょっとした知的探究心が…………」

「だから、それも女の子に対しては暴力になるんだぞ?」

「違います!そっち系じゃなくて、レーミが魔王の娘かどうか聞こうとおもっていたんです!どうなんだ、シノン!」

 ついつい威圧的になってしまい、またもや彼女はびくついている。

「ほ、本当ですよ」

「じゃ、あんたは?あんたはいったい何なんだ〜って奴だ」

 俺はシノンのほうを見ると彼女は口をパクパクさせた後にようやく口を開けたのだった。

「わ、私は魔王です」


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