“対極陸”
“対極陸”
“関係ないけどさ、普通世の政府って負けたんだよね?あのときテロに屈したってことでいいんだよね?”
“そう、だなぁ、あの時の言葉のままに受取れば……”
“……ぇ、じゃなに?あのときの要求が金だったとしたら、その金がコレとかってオチ?”
え。ぇええええええええ?
“そりゃちょっと短絡的すぎじゃね?”
今日が一体何日でなんて忘れてしまうくらい長い時間を過ごしているのだけれど、何も進展していないように感じる。なんの収穫も無いから、それはそうなんだけど。今頃、真面目に外はどうなっているんだろう……電波の受信ができない……。お屋敷の壁は、やはり防音設備なんてしなくても大丈夫なほどの優れ物なのだろうか……。などとどうでも良いことも考え始めているってことは……この状況に飽きてきた;のだろうか;
不意に開けられた扉に皆が注目する。あまり音がしないんだよね……さっきも思ったけど、皆が振り向いたのは、扉の開けられる音というより開錠された音、だな。開けるのが巧いのか造りがウチとはまったく違うからなのか……空気の流れも判らない。僕は香りでなんとなく判るけど……なんとなくなのは、あのシルバーの蓋の所為かなって思う。
“お。酒だ~なんか嬉しいですね、無料だよね?”
*“うむ、好きなだけ楽しんでくれたまえ”
Nさんは運んできてくれた人に訊いてみたけれど、応えたのは謎の普通世だった。ワゴンには、酒とはいえ日本酒からウィスキーまで様ざまに取り揃えてあるようだ。
“いろいろあるなぁ……流石、金持ちは違うわ”
“J氏、これ、いっちゃいます?”
Nさんが手にしたのは、ちらっと見えた名前はまったく判らなかったけれど洋酒かなぁ。まったく疎いため、梅酒くらいしか判らないや;
“Oさん何にします?同じものでよければ”
“お茶にしておくよ。家じゃないと落ち着いて呑めないんだ”
“お前もお茶が良いんだろ?、それと、KKさんも”
“は、はぃ……ありがとうございます”
“なんだよ、よそよそしいな?礼はいらんから、考えろ。これがあれば、新しい制服が買えるぞ”
“は?何云っちゃってるの”
Jさんが僕に手渡す。ぁーこういうの、僕がやるのが普通なんだろうな……1番若いし;なんて考えたりしちゃうのは親の所為。動かないのは僕の所為;呑み会じゃぁないからいいよね?
それより、おつまみのほうが美味しそうで目移りしてしまうほど。ここは定番の枝豆でしょ……が、揚げ出し豆腐も良い。なんだろ、この、素材は高級なんだろうけれど、微妙に庶民っぽい、まぁ気をつかわない感じのつまみ。そこまで考えて出しているのか?なんで追い詰められてここに来たのか本当に判らなくなってきたし、それ以前に敵かどうかも判らない相手から出されたものを躊躇無く喰うとか、何この和やかな、さっきとはまるで違う世界にいるかのような状況;
こうやって、自白剤だのなんだのが入っていたと判るのがかなり経ってからとか……ないといいけど;
“どれもいけますねぇ、つまみも”
“このほどほどの加減がいいなぁ”
“理性を失くすほど呑むなよ?”
“私たちは心配ご無用ですね、、っと、食べ過ぎに注意しないと。これは結構塩分高めですよ”
どれをとっても、=人の生死に関わるものなんだな……。
“理性がなくなると人ではなくなるんですか?”
“アレだ、よくいうじゃん、人の皮を被ったなんとかって”
“じゃ、理性と心って同類ですかね?”
“うん、たぶんな”
“生まれ変わりっていいますよね?”
“ぁ、ぁあ”
“まてまてまて、なにがいいたい”
“ならばアヤめるって、魂と肉体の分離、損壊って理解でいいですかね?”
タブン、ココカラダ。




