“対極弐”
“対極弐”
けたたましい音の鳴り響き止まぬ中、どうすることも出来ず僕らはただ黙って立ち尽くす。その音に危機感を覚えるものの、どうすることもできずにいた。
ただ……ひとりを除いて。
“鳴らしてしまったものは仕方ない。J氏を担いだまま行動するよりここで待機するのがベストと考えます。J氏の容態は……呼吸困難などはないですか?”
“……ぇ、ど、どうしちゃ、”
“……すみません、KKさん。俺のせいで、こんな”
“大丈夫ですよ。人なんてこんなものだと、あの時のキミが証明済みではないですか!はっはっはっは”
……KKさんは僕を見てそういった。キミって、どうやら僕のことらしい;
……つまり、僕がマスターの店で意味も無く鉛筆を削ったあの時のことを指し、KKさん自身が今まさにそうだという……ということ……ですよね、はっはっはっは;
“Jさんは大丈夫そうじゃ、私がこの音の詳細を説明するとしよう”
“……KKさ……ん……大丈夫じゃない;”
知らない人の、しかもだだっ広いお屋敷だし近くに窓も無く、僕の記憶違いでなければここまで1本道、道というか通路だった。どちらにせよ、袋のなんとかなわけで……それでもその危機感によって新たな人格?が芽生えたらしいKKさんが頼もしく見えるのは良いことだと思う。たぶん;……こういう防衛本能みたいなの、なんていうんだっけ;
程なくしたころ、どこからか……ぇえ、どこからか声がね、聞こえてきました。見ているんですよね、ぇえ、判っています。隠し拡声器がどこかにあるんだ、きっと。
“君たちに1つ質問を出そう”
“どこから話しているんです?”
Nさんが訊ねた。
“君たちと同じ普通世だよ”
ぃ?、そうじゃないでしょ?
“こちらのことは全て把握されていますよね?”
“この現金ください”
ぁあ。KKさん、どうやら元に戻ってしまったらしい;意外に早くて少しばかり残念な気もする。
って!!くださいなんて、なんてストレート真っ直ぐな人だったんだ……;びっくり。
“その質問に答えられたらな”
“ぇえっ……冗談で云ったのに”
“ぇえっ?冗談だったの?”
“っていうか、会話になっていたのか……てっきり予測される台詞を予め録音でもしておいたのかと思ったわ;”
う~ん、それはまだ……確定じゃないと思う。僕らのことを知り尽くしているのなら、質問に応える条件として何らかの要求を出すくらい相手も予測済みかと……な、なにかの見すぎや影響で疑い深くなっているのかも;
違ウ……僕ガ疑イ深クナッタノハ……アレカラダッタ。




