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“再び弐”

“再び弐”


“おや、これは何だろうねぇ”

“何かあったの?Oさん”

覗き込むがまるで見えないのは当たりまえなので、彼の探る手を止められた辺りへ手を伸ばす。

“これは……ちょっと待ってください”

“うん、キミは背が低いんだねぇ……”

え;今それ関係ないでしょ……あるかもしれないであろう扉の隙間の上部まで僕の身長じゃ背伸びをしても届かない。非常扉、若しくは天井ほどの高さなのか、又は扉など存在しないのかもしれないが、それと僕の身長って今は関係ないと思うんだけど。

取っ手らしき位置から推測できる左辺りに手を這わせた。

“閉開部分と思われる隙間ってほどでもないけれどありますね……どうします?Jさーん”

一応指示を仰いでみた。開けられるかどうかは不明;

“どんな取っ手だ、表玄関のようなパネルはないのか?”

“……推測される辺りにはありません。僕のあまり見たことの無いタイプです”

“あれですよ、Jさん。昔の、ドアノブ、銀色で丸みを帯びた。錠穴はないタイプですね”

“ぇ?そういう形が主流だったんですか?”

“私がキミくらいの頃は多かったなぁ……今はとても洒落たタイプのものがたくさん出ているけれど、私の家はこれと同じだ”

“押せますか?Oさん”

“判った、押してみるよ”

“待った、待って”

“なんだね?”

違和感がある。あまりにも見つかるのが早過ぎる気がする。確かに、さっき入ったときとは勝手も違う。僕らが外に出ている間に誰かが何か仕掛けていたとしても不思議ではない。考えていても始まらないけれど……な、何か他にもっと安全な、何か方法は無いだろうか。思い出せ……。

僕は最初に入った時に歩いた場所とそこから見えた内装、映像が投与される前と、された後に歩いた位置を思い出そうと試みた。……確か、この辺りは、あの妙な音が聞こえて、空気の流れてきた方向じゃないだろうか?あの辺りにあったのは、んー確か、そうだ!確か埋め込みタイプの書棚に見えるようなものがあったところだ。だとすると、かなりでかいかもしれない……、扉上部に届かなくて当たりまえ。僕の身長の所為じゃない。……そ、そうじゃなくて;

“開けましょう、Oさん、たぶんここは大丈夫です……ただ、奥は何か判らないので木を抜かずに”

“よし、ノブを回して押すよ。せーの”

……開かない;

“開きません”

“いや、これはたぶん鍵はかかってないから引っ張るやつじゃないかな”

え?

“なんで判るんです?鍵が掛かってないって”

“回せばわかるよ、このタイプなら。掛かっていれば、こんなに回せない筈”

“なるほど、流石です、Oさん、じゃ、引きましょう。たぶんこの辺りが開くと思うので僕はこっち側にいますね”

“私は扉側になるわけだな、よし、せーの”

“開きましたかー?”

“ダメだ、重すぎてたぶん、私の力では無理だ”

アイツがいてくれたら……こんな扉、わけもないだろうに……、と思ったときだった。

“あ。”

ギーーーーーーーーーィ

“すごい、やったじゃないですか!Oさん!!”

“いやぁ、なんか急にドアが軽くなったような感じで”

“Jさん、開きました。先には廊下があるようで、多少、灯りもありますね”

“ねぇねぇ、匂いは?変な匂いはしないの?大丈夫なの?”

“大丈夫です、いけそうです……ただ、こんなにあっさり進めるということなら何も無いと考えるのは不自然かも……しれませんが……;”

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