“再び”
“再び”
適当。うん、良い言葉だな。
僕らは適当にテグスの末端を玄関扉に結びつけた……あまり、深く考えず……なのはいつものことなので云うまでも無く。
“扉に仕掛けがあったんかね、閉めてから時間が経つと映像がなんてさ”
“忍者屋敷じゃあるまいし……”
映像と考えられていたものは、おそらく映像らしく……しかも、未だに見えるということと外は入る前に見たものと変わらなかった。その2つから、手動ではなく予めセットされていたものと考えることとした。その上で、もなにもないけれど;壁伝いに〔何か〕を探っていくことにする。
“な、なんか変なもの触ったら、ど、どうしてくれるの”
確かに。KKさんの云うとおり、映像をすり抜けた自分の手は見えないほどなわけで何を触るか判ったもんじゃない。白袋をしている僕だって、ちょっと嫌なのは同じだ。ヘビとか……さ;何か得体の知れない……やめた。考えると、とんでもないものまで思いつきそう。
“あれ、ここに何かある……なんだろう”
まず、初めに何か見つけたのはNTさんだった。
“どら、俺も見よう”
因みに、2名ずつで行動を伴にしようということにした。NTさんとJさん。KKさんとNさん。Oさんと僕。とくに、深い意味など無い組み合わせ。あるとしたら、KKさんとNさん、かな……ふふ。
“あ……”
と云う間にどこかから妙な音、というよりは明らか扉の閉開に近い音が聞こえてきた。僕だけじゃないハズ。たぶん押したか触れたのはKKさんかと。あればなにかと押したくなるらしい……。
“何か、いま、どっか開いたよね?”
“開いたか閉まったかは不明だが……”
“ちょ、押すなら押すって云ってよ、KK氏……何かあったらどうするんですか”
“ちょっと、あの勢いが、ねぇ、けど、あれだよ、ちょっと突破したよ、うん、でしょ?”
“ぇ、じゃ、こっちはどうします?このまま放置しておきますか?”
“いや、どこが開いたか調べてからだな”
“ぇっと、では僕らで音の場所を調べてみます、行きましょう、Oさん”
“私はねぇ、……小さいころ、よく近所のみんなと探検ごっこしたものだ。キミもそういう遊びをしたかね?”
“ぃえ、ここまでなのは初めてですね……精々僕らは立ち入り禁止と書いてあれば入るようなことはまずなかったです”
“そうか……時代の流れというのはなんとも淋しいものだなぁ……そうは思わないか?”
“そうですねぇ……”
“私からしたらまるで秘密基地探検だ。童心にかえったようで楽しいのは私だけかねぇ”
“……僕も楽しいですよ、やったことないから”
僕らは話しながらも壁伝いに、扉の取っ手のようなものがあるか探る。ある程度見えるけれど、暗さはさっきと変わらないと思う。ただ、近づけば、一面に岩の壁が拡がっているだけ。まともな灯りもない。屋敷の中だと判っているからなのか……僕の中ではOさんほど楽しめていないのかもしれない;暗所恐怖症じゃなくて良かった。




