“晴れのち雨かまたは肆”
“晴れのち雨かまたは肆”
僕らの行く末は投げられた矢にすべてを委ね……決めてもらいたいものだ。
なんて……考えることをやめたら、それこそ奴らの思う壺……なのだろうな。思考停止ほど支配しやすいものは無いらしいからね;
奴ら。というものの、未だ相手が霧の中で誰だか判明さえしない僕らだけれど;
後になってから判ること。それがいつだって、大事なことだったりするんだ。
“ど、どうしても行くんすか……”
“還れないだろ、このまま”
“ですね……と云いたいところだけど、実際なんで俺らがって気も拭い去れなかったりしてなぁ”
“まぁそういうな、同じ泥舟の船員じゃぁないか、なぁ”
泥舟っていうより、船なんて乗り心地のマシなものじゃなく、筏でも笹舟でもなく……そう、底なし沼の上を渡る?慣れない〔水蜘蛛〕でもつけているような;
“どこかに何か見落としているんすかね?他にも同じ職種の企業なんてくさるほどあるのに何故ウチなのか、とかがね”
ぁ。忘れてた……ぁ……;忘れもしない!あの日、イベント先の勤務中に無線で傍受した……ある意味、僕らの今のところ考えられる始まりは、あそこからだ。
“まずは中に入る、問題は次ですよね……”
“外の木に3本くらいロープつないで入ったらどうです?”
“う~ん、ロープないっすからねぇ……どこか別棟とか”
“俺、あるある、細いのでよければ、テグスだけど充分だよな”
ぇえっ?なんでそんなものを……一体何に……?……やっぱり侮れない、Nさん。手薬煉をひいて待つってのは、そのテグスからきていたってことだったのか……?;
“そういや携帯、まったく鳴りませんな”
“電気止まってんのかねぇ”
“つか、ここの家主どこ行ったんかね……別の場所に監禁されているのかねぇ”
“まともな物音ひとつ無かったもんなぁ……ドアの開く音とかそんなんばっかりでさ”
“私はもう、5分前の記憶さえ危ういからなぁ……”
やっていることは見れば判るが……木に括りつけるのは、もしも誰かが来たときに見えずにメチャメチャ危ないのではないかという理由で、せめて玄関の、あの壊された扉にしようと提案してみた。おそらく、あの破壊され方ならば、趣味で入る輩が居たとしても警戒するのではないだろうか……という浅はかな考えからで、皆も納得してくれたようだ……たぶん……そこまで考えていないかも、とも思う。
“私はここに、い、います、もうティシュ切れてしまったし”
“そうだな、ひとり見張りが居てもいいかもなぁ”
“ひとり?ひとりじゃいや。誰か一緒に居てよ”
“KKさん、ほら、コレもって。行きますよ”
そういって、彼にテグスの先端をベルトに巻き付かせたNさんは、更には腕をつかみ扉のほうへ引っ張って行った。Jさんとoさんも、それぞれが各々の思いついたところ;に、括りつけた。
“手、手を放して、後生だ……放して、誰か、ねぇ”
“よし、行くか”
“……さっきのJさんの捨て身で……初めてきたときより入りやすい……”




