“夢か現か伍”
“夢か現か伍”
“どういうこと?”
“出られるの?ねぇねぇ、ここからもう出られる?”
“たぶん。思い出してください。あのとき何もなかった、まるで映像が切り替わっただけのようじゃなかったですか?”
僕はぼつぼつと応える。何故ぼつぼつって、行きたいところに行けるまで用をたせるまで落ち着かないだけなんだ;
“確かに何も見えないけど”
“早く出よう、出ようよ暗いしなんとなく寒いし狭いし”
“KKさん狭くは無いから落ち着いて”
“見える、なんて云ったら良いんだろう……皆さんの話しと僕の主観からですが、内観?が違うだけで何も身体には衝撃を受けていないんです、たぶん……少なくても僕はですが”
“なるほど”
“つまり?”
“脳内に同じ映像を送り込まれているか、同じ映像を見せられているか、のどちらかだと思うんです”
“それって、有る意味、永遠に出られないか……この映像を見せられていない人が俺らを見たら……怪しい人に思われるってこと?”
“……その可能性があると思います……Jさんいかがですか?”
“・・・・・・・・”
“Jさん?????だ、大丈夫ですか?!”
“寝てる、たぶん;こういう人だよ”
“さっきまで起きていたとおもったのに……”
“彼は放置していくとして、どうやって出る?”
“まずは元来た玄関までの道筋を辿ろうかな、と思っています”
“どうやって?”
“何かの御伽噺のような目印なんて付けてきてないぞ?”
“僕、鼻もですが耳も良い……いや、たぶん僕にしか聞こえない不快な音が。ついてきてください……ただし”
“ただし?”
“え。”
“ただし、扉を開けても変わらない可能性が充分にあります……;ので、それはご容赦願います”
“……まじで放置?”
というわけにもいかず、皆で起こすことにした……そういやJさん、あれからたぶん寝ていないだろうし、その上この暗さ。睡魔が襲っていてもおかしくないだろうな。
どうやって起こしたかは……僕の口からは云えやしないよ、云えやしない。
“ここです、扉……あった、取っ手”
威勢よく宣言したものの何もなかったら……という不安要素がないわけではなかったので、取っ手を握り締め安堵する。……これで、用が足せる;
“やったな、すげぇわ”
“……どんな音が聞こえているんだね?私にはなにも聞こえないが”
“あれじゃね?外に変な装置があった……聴覚年齢?によって聞こえる音とそうでないのがあって”
“なんでそんなものを;この屋敷にはお子ちゃまが嫌いなヤツでも住んでいるのか?”
“さぁな……どうした?開かないのか?”
ガチャガチャと取っ手を上下させたり前後はおろか左右も試してみるものの固定されているような状態に戸惑っている僕へ声をかけた。
“取っ手がいまいち反応しません”
“代わるよ、、、あれ?まじだ。これ以上、無理に下げるようとすると折れるぞ、たぶん”
Nさんは一旦手を休める。
“何か有る、ここ……四角いパネルっぽい”
“ロックされてんじゃね?見せて……っても無理か;”
Nさんが手のみで壁の何かあるらしき辺りを探る。
“あーこれは……暗証番号だな、認証は要らないタイプ。たぶん3回まで……とかよくいうけど、4桁適当に打てば大丈夫なやつ”
“……え。永遠に数字当たるまで打つの?”
“どれ、俺に任せろ”
そういって、Jさんは少しだけ下がり……、
“な、なにを、や、やめてください、ちょ”
僕が止められるハズもなく……、ありったけの巨体を活かして;広範囲な一撃を扉に向かって繰り出した。
物凄い音とともに、たった一撃で外へ転がり飛び出していった。……こんな場面を見せられると思い出す。
親父……元気かなぁ。
“まじか;”
“すっげぇー放置しないで正解”
……さすが……な身体です。
器物損壊ですが、この際見なかったことにしましょう。何故って、僕らに見えているのは、ちょっと出っ張った岩なのだから。




