“誰の”
“誰の”
“ま、まぁ、定番だな、監視カメラもあるんでしょ”
“やはり入れってことだろうなぁ……”
“ですな”
い、いや。壊れたのかもしれない。ほ、ほら、自動ドアとかってさ?違法なレベルの無線で誤作動したりするじゃない?あれと同じ原理でさ。
“これでドーベルマンとか出てきたら洒落になんないっすね”
あれ、そういやアイツどこへ行った?さっきまで後ろを歩いていたのに……肝心なときに居なくなるのは偶然なのかそれとも必然……。
“ここに居てもな、まず話を聞いてみようじゃないか”
“うっす”
『では、私はここで。長老がいればもう少々出しゃばる事もできたのでしょうが。皆さまのご武運を祈っております』
暴論にも正論を。だよね……
“御手洗くん、ここまでありがとう”
み、皆、正式な彼の名前を知らないまま……あだ名で呼び、お礼を伝える。僕の所為?まぁいいか。
門をくぐり抜けると、そこは……これまた古めかしい橋がかけられている。たぶん屋敷を囲むように池があるんだろうな、とは思っていたけれど流石。って;これ、玄関まで歩く距離じゃない、たぶん普通に車だよね?ウチはここの犬小屋にも劣りそう。
“洒落にならないつか、辺りに人ひとり居ない?”
“よくあるパターンだと、1、屋敷内から狙い撃 2、実はもう形がついたとか……3、主は返り討ちにあい縄で縛られている”
“俺は4の異世界に飛ばされた”
“私は5のループ説”
“あの……ところで敵陣にのりこむにしては人数が少なすぎないですか……”
僕を含めて6人。そんな他愛も無い話をつらつらとしながら歩く姿はまさに無謀としか思えない。しかも、誰がこんな事態を予想できただろう…。空世の加担ありでこれじゃ、妄想癖人のゲームのソロプレイと変わらないほど無謀な気がする。
“心配するな、お前は俺が護るって”
そういうことじゃなく!!!
ギギギギギギギっ
わりと長めの二重橋を渡りきる頃、奇妙な金属音?が聞こえてきた。それはどうやら僕らの後ろからのようで皆が振り返り目にした光景は……案の定、跳ね橋だった;……封鎖された;
“ま、泳げばいいし”
“え。いやです、こんな汚い何がいるかわからないような池”
“……僕は泳げない;”
“……ぇ?”
“え?”
“意外ですねぇ……スリムというかストイックそうで一番泳げそうなのに”
“ストイック関係ないだろ;”
“今の子は規制が多いですからねぇ……私の若い頃は潜りのOちゃんなんて云われて夏休みは朝から晩まで川の深いところで遊んだものです”
“い、遺伝なので;”
“つまり、DNAに〔泳げない〕ということがプログラムされていると?”
“……そ、そういうことにしたいです”
な、なにこの戦場の緊張感というより別の緊張感ってのは;これも実は作戦?けれど、相手は同じ普通世のハズ。待てよ、同じ普通世だから?いやいやいや、同じではないな……僕らより特化された、いわば僕の欲しかった能力を意のままにできる相手、エリートな普通世だ。
“って。ぼ、僕の泳げない話はどうでもいいじゃないですか、それより敵の”
“今度、俺が泳ぎを教えてやるな!!”
ご、ご遠慮願いたい;です。




