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“花より団子”

“花より団子”


あまり出迎えたくないお客さまがどうやら痺れをきらせたのか不明だけれど……ノックなしの声を発した。

___ダイの遣いの者のシーです。お開け願いたい___

“ケンカを売るつもりはないが、ドアからの進入は我々が招きいれたという責任とでも云うつもりか”

___そんな滅相も無い。あくまでスマートに紳士的という観点からですが、ご不満とあらば破壊するのみ___

Jさんは後々マスターに破壊された云々をグチグチ云われるのはイヤだ;と思い直し、渋々ドアを開けようと取っ手に手をかけた。

『BOSS、こっちです』

その声に皆があちこちを見回したが、僕だけは取り敢えず床を探してみた。……Jさんをそう呼ぶのは僕の知る限りで御手洗くんだけだからだった。

“御手洗くん……”

“……なに、そのちっこいの;”

“何しに……危険だし、地世は関わるな”

Jさんのその声と、ほぼ同時にドアが開いた。Jさんが開けたのではなく、丁重に開けられたドアの外には数え切れないほどの空世が、と思っていたけれど実際は3機ほど……か、、、;

『私がシールドを張るでございます、その間に皆さんは私の仲間に続いて表へ』

御手洗くんによって、見えないシールドが張られた。見えないんだけど;それによって空世は攻撃態勢に入るべく見えない剣を抜いた。僕らには見えないけどね;

見えないから別に恐怖も何も無く……;なんか普通世って、ある意味怖いわ。

『こちらです』

たぶん、地世は精一杯の声を張り上げているのだろうが、それでも小さく聞き取るのが厳しい。が、そうも云ってられず、皆は無言のままに次々に部屋を後にする。僕も、それに続く。な、なんだかなぁ……

“Jさん、一旦外に出ましょう。ここでは不利です、狭い;後で揉め事”

“ちっ”

“御手洗くん、もう1人奥に寝ているんだ”

“大丈夫です、彼は既に別の場所へ退避していただきました”

!!!!!!!!!!!いつの間に;酷いよ、マスター;まぁいいや。たっているものは電柱でも使わないと。

これは敵前逃亡じゃない、戦略的撤退!……ともちょっと違うけれど。

僕らは御手洗くんと、その仲間である地世によってそこを一瞬で脱出した。地世も空世に劣らずすげぇ……。

地上に出たものの、いくら地世が劣らないとはいえ空世がここに来るまでに時間はそうかからないだろう。咄嗟に持ち出したあるだけの鉛筆と鉛筆の芯。残念ながらサキュレーターはもう使えない。僕はほぼ均等になるよう皆に分配した。少ない;

___おまたせいたしました___

早すぎ;もうちょっと遠慮してほしかった。

“できれば戦いたくはないんだが”

___構いません。あなたがたを足止めできれば問題ありません。動かなければよろしいのです___

“Jさん、事を大きくしてもアレだし実は俺らここにただ立ってりゃいいだけなんじゃね?”

“いやいやいや、つまり俺らが行ったらまずい場所があるんだろ”

“そうじゃの、通信すべてが支配されたものだとしたらここに何の情報も届きはしないのぉ”

ちょっとまって?あまり話を大きくしないで?終われないし終わり方が判んないゃん;;

皆、話しながら器用にも鉛筆の芯;を詰めた。なににって?

“PVC(ポリ塩化ビニル)の耐性をなめるなよーーーっっ!!!!!”

“ぁ。点滅も点灯もしない;ヤケクソだああああああああ”

“うわぁああああああああああああああ”

“ぬぉおおおおおおおおおおおおおおおお”

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