“*G日”
“*G日”
今日の勤務は少し遠めで、かなり緊張すること請け合いらしぃ。僕は初めてだけれ
ど、現地まで同乗させてくれる相方は経験があるという話。
“テラノ組”というらしぃ。
なんでも、かなりの大手で仕事も早いとか気前も良い……そのかわり厳しいとかな
んとか。
どんどん街から離れていくみたいだ。道なき道……オフロードというか獣道に近い
気がしてきた先に車が止められたのは……
“ん?更地?”
……見渡す限り広大な。遠くで砂煙っぽぃのが見えるような……気がする。気のせ
いか振動もするような……
というか、奇妙な……なんだろ、この世のものとも思えない、、、叫び声?に耳を
すませていると
“……、”
突如頭上に現れたソレは。
ティラノサウルスだった。
ぇえ、巨大な卵を割って造ったかのようなメットらしきものをかぶり、いや、絶対
卵だと思う、間違いないわ。けど、3本線が入っているのが確認できる、それほど
腰を低くしてなにか云っているが、聞き取れるはずも無く。
“……つ、通訳いないの;”
相方が身振り手振りで頑張っているのが僕にはわかる。けど、地響きがすごすぎて
脅されているようにしか見えない。
侮れん……
テラノ組。
作業員は……らしき担当たちは既に作業に取り掛かっている。見せてもらった限り
ではあまり難しいような工程ではなく、単純作業ではあるけれど……ちょっと普通
では無理そうな気がしてた。重さとかさ?大きさとかさ。余程、最新式の重機なん
かをつかうところなんだろうな、と。
“大手……た、確かに。仕事の早さ……のわけは、こういうことだったのか”
最新式、、、、まさに、彼らに打って付け。あの、大きいレンガのようなのを積み
あげたり、三角錐に掘り下げていくとか……僕らの使うクレーンなんて玩具だな。
何故、僕らなんだろう。
ところで、今さらだけど。たぶん、まだ3種(空・地・普通)しか書いていないだけ
で、その中に彼らのような種は含まれて居ない。
それでもこうやって、一緒に暮らせている、それが僕の居る街のある星。
聞きかじりではあるけれど、何故僕らが重要視されているかの訳がもしあるとする
ならそれは、僕らが至って普通だから、らしく。
普通でいることの大変さ?と云われても、正直普通だから判らないし僕には彼らが
うらやましいとさえ思う。
最先端科学技術や特殊能力、古き良き時代の彼ら……進化とか枝分かれとか問題な
く、それぞれの個性を活かせる普通の僕らの存在は……細菌やら記憶装置に格納さ
れているものより脅威らしい。
……けど、踏み潰されたら……一瞬にして終わりそうだけど?
共存の条件で必須なのが、普通の僕ら……らしぃ。