“ペロリスト伍”
“ペロリスト伍”
連絡のあった隊員たちが集まった。少ないけれど、皆、独り者。ある意味?僕もだ。他にもいるだろうけれど、上から自宅待機を促されている以上どんな何があるか判らないから……つまりここにいるのは命知らず、ということになるのかなぁ。
“皆、聞いてくれ”
“いや、メシの後にしてくださいよ”
“ですね。腹が減ってはなんとやらでスシ……ぁ、寿司食いたいな”
“酢メシしかねぇな、今は”
奥から太めの声が聞こえてくる。確かに生もの食って、この非常時に大当たりでもしたら笑えない。でも、笑いそう;そんなことより朝から寿司って……まぁ有りか。好みは人様ざまに。
“政府の何が気に入らず、こんなことになったんかね”
“N氏は今のやり方にどうも思わないということ?”
“俺は、O氏より長く生きているわけじゃないから何とも云えないけど楽しけりゃどうでもいいかな”
“楽しいんですか?”と、僕は訊いてみた。
“まぁそれなりにだけど;……BMで生活はそれなりに出来るし、独りでいるのに飽きたから仕事もそれなりにやって、それなりに他人と交流があって、う~ん、まぁそれなりに楽しいかな。俺よりO氏は自営もあるし働かなくて良いんじゃないの?つかキツイっしょ?夏場とかさ”
“この年になるとね。自分の育った街が、こう……知らないうちに変わってゆくのが淋しくてね。変わるまでの少しの時間だけでも街に立って刻んでおきたいと言うか、ねぇ”
“私はあれですね、どこに何があるか把握しておかないと気がすまないからですね。電柱やブロック塀の数を数えなければですし”
“……出た。KK氏の、なんていうんでしたっけ、強迫なんとかっていう”
“それって、車の数も数えているんですか?”
“ぇえ、色別に数えますね。その数も丁度じゃないと多少イラつきます。以前はかなりイラつきましたが”
“Jさんはどうなの?嫁さん、几帳面で誠実そうな感じのする人に見えるからBMだけでも2人で充分、楽しんで暮らせるんじゃないの?”
“俺か?俺は好きでやっているんだよ。もう、この仕事は天職だ!!!くらいになぁ”
“……それはそれで、ちょっと、、、他に天職なかったんですか、と思いますが……警察官とかさ”
ここの人たち、なんか怖い。
“お前はなんでなんだ?他にいくらでも仕事あるだろ、俺らと違って若いし”
僕?……僕はどうしてこの仕事をやっているんだろう……考えたこともなかった。
“な、んででしたっけ;理由はあったような気がしますが、憶えていないから大したものじゃないと”
“出た~~今どきの無関心?それで生きててつまんなくないの?”
“平凡が一番だと思っているからですかね……よく云うじゃないですか……100%より、たった1%の望みが絶たれるときの絶望感みたいな、あれはイヤですね。味わいたくないから最初から望まない”
“妙に説得力あるが滅茶苦茶後ろ向きだな、ぉい。味わえば結構病み付きになるかも知れんぞ?なんなら俺が”
こ、こいつ!!!!!!
“Jさんってお前相手だとすぐ悪乗りするよな”
“俺は本気だぞ?”




