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“物は試し弐”

“物は試し弐”


そいえば、犬がいない。車から降りたところまではすぐ近くに居たのに?どこへ行ったんだろうか。まったく、ここ最近すぐどこかへ行ってしまうのだから。

テラノ組が漸く落ち着きを見せ始めた頃、曲者上司の呼吸も落ち着いたようだ。

“……そろそろ話ができるようですかね”

“ン~まずは運よく助けることができたし、行ってみるか”

意外に距離があるように見えるが、あの、例の車両の通った辺りを直に見てみたかった。

僕も漸く平静に辺り一面を見回せば、見惚れてしまうようなシビアな空と光る星、広大な砂漠とも思えるこの地は、僕を酔わせるのに充分だったりする。

……が。油断のおけない輩がひとりいるのを忘れるわけにはいかない;

“……あの、スイッチが入らないようにしてくださいね?まだ何があるか判らないし”

“大丈夫、大丈夫”

いまいち信用に値しない。それより、今後も続けられるのだろうか?テラノ組からの依頼。

『問題ありません、既に、いつも通りの彼らに戻っているとの連絡が入りました』

御手洗(みたらし)くん、気になってはいたのですが。もしか空世と同様、普通世の考えていること判るの?”

『ふふっ、ノーコメントです』

?!ノーコメにしなければならない理由は?

“いいじゃないか、お前、読まれて困ること無いんだったよな?”

“……ぇ。そんなこと云いましたっけ?”

そうこう話しているうちに、テラノ組の監督が近づいてきていることに気付いた。

“どうされました、監督?体調がまだ優れないのでしょうか”

試しにGS越しに話しかけてみた。

『こんな時間に、ご足労いただきまして心より感謝します。』

どことなく、風格を思わせるような声?監督らしい、太めの、けれど、温かい感じのする声だ。うん、意外と好みかも。

“ご贔屓にしていただきまして、こちらのほうこそありがとうございます。”

BOSS……いや、上司が横から割って入ってきた。実は彼は……GSを持っていないのだ。僕が持っているのは、たまたま妄想癖人が何度もわざとらしく苦労?の上に行き来して、3つゲットした試供品のうちの1つ。僕も同じ頃に配られたモノはあるが家においてきた。何故これを使うかの理由の1つは、この中に妄想癖人がどうやってなのかは不明だが、お守りを仕込んだからという単純な理由だったりする。

『いえいえ、いつも隊員の皆さまには本当に良くしていただいてます。その上、今日は、ご無理なお願いを唐突に引き受けて頂き、、、』

うは、やめてくれ!!!!!

なんと、テラノが泣き出したため、上から大粒の雨、、、。涙もろいのか、、、。このままいけば、鼻水もたれてくるかもしれないなんて考えているうちに僕らがびしょぬれになったのは云うまでも無く;鼻水だけは、避けたい!!!!!11これこそ、無二無二絶対!

『お入り下さい』

御手洗くんは、すぐ傍にあった石ころをどうやったのかは不明だが透明な僕らを覆うには充分な囲いを造ってくれた。

“ありがとう、御手洗くん”

“……さっきから気になっていたんだけど、石って原石で、これダイヤじゃね?”

上司が指差したのは、目の前の囲いだった。

『YES,BOSS』

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