“AA日”
“AA日”
時の流れは早いもので、なかなか解決策の出ないまま深夜0時をまわってしまった。とはいえ、ここに着いたのは22時は過ぎていたため、彼……仮に御手洗くんとしよう。……から経緯とまではいかないが多少の説明を受けていた時間も含め……こんなものかな。
“困りましたね……このまま朝になるのを待つというのもアレですし、かといって放置というわけにも”
“政府関係や空世に連絡ができないとなるとな……流石にお手上げだなぁ”
見事にテラノ組は巨大な穴に嵌って堕ちて落ち込んでいた。
何故こんなことにというと、元々準備してあった作業車両などを普通世の自宅待機に合わせ一旦片付けることに。……が、順調に片付けていたのにも関わらず、遅れてきた最後のひとりの作業員がその範囲に入った途端。どういうわけか皆で作業車両ともどもいきなり出現した巨大な空洞?に吸い込まれるかのように堕ちたそうだ。今までも何度も繰り返し同じことを、同じこの場所で行ってきた上、中の空洞調査まで完璧にこなしてきたのに……ということらしい。考えられることとして、重量オーバーに近い事象を故意に仕掛けられていたのではないか、ということ。
御手洗くんの話によれば、元々恐竜族は地世であったそうだ。というより、御手洗くんは地世だった。彼はコボルトという種族らしく、僕らは改めて始めての挨拶を交わした。;分離してしまった今も、恐竜族とコボルトたちは特別な決まりなどなくても友好な関係を保っているそうだ。
とても這い上がれる深さではない。GSがなければ、僕らには肉眼で確認さえできない。
ただ;
イライラが……声と振動によって次第に増強してきているのがハッキリ判るのが怖い。そのうち、その値がマックスになって這い上がれるんじゃぁないだろうか……?
“なんとかせにゃな……御手洗くん、他に何か手は無いの?こういった事態に備えてさ”
『……地世の長老が現在不在でございまして、ある鉱石を使えればなんとかなるかもしれないのですが、長老が』
“長老はいつ戻るの?”
『久々のバカンスで生憎いつになるのかは』
“その鉱石ってどこに?”
ぁあ。バカンスは大事だよね;僕も12日連勤があったりもするけどさ、労基によれば1月に4日以上の休みが取れるなら云々なわけで……。だが、4日程度じゃ決してバカンスとは云いたくない。
『はい、すぐそこの山にいくらでも』
“……;つ、つまり、鉱石はどうとでもなるが扱えるものが、ということ?”
『おっしゃる通りでございます。扱えないものには、ただの石』
“僕らは普通世ですし……どうにかできるとは思えないのに何故呼ばれたんだろう”
『……ノーコメントでございます』
ぇ;?ぉいぉい……企業秘密とか?;
“因みに訊くけど、その鉱石をどう使うかは判るの?”
“……ぉい、ノリノリだな!!!!!”
“ちょっ……黙っていてください、もう”
“すまんすまん。そんなに親身になるのが妬けるな、ぉい。俺の講義もそれくらい真剣に聞いてくれよ”
な;突然何を言い出すやら;
『浮遊石に変えるのです』
ぁあ。何ソレ;
『読んで字の如く、浮遊する石でございます』
もうついてゆけない世界が広大なまま時だけが過ぎてゆく。




