“某X日(エックスデー)”
“某X日”
“お前、世間は今大混乱だぞ;”
“どういうことですか?ネットに繋げられないというだけでは、一時の障害じゃないんですか?”
“……今日、暇か?”
僕の認識が……否、知識が甘かった。上司とデートする気はない、しかも既婚者。だが、自宅に戻るのは絶対危険。本能が絶対だと語っている。前に親父がいっていたことだけれど“この世に絶対はない”と。だが、今だけは絶対だと思う、うん、絶対。する気はないが、どちらにより身の危険がという天秤にかけるというか消去法で云えば、上司の誘いを断れるほど僕の家は普通ではなかった;
彼の話を要約すると、どうやら普通世から最新というカテゴリーが消え去った、という認識に近い状況のようだ。ぇ、つか、電気こそ最新じゃぁなかったの?電線なんか地上にないぞ?自転車で5分も経たずにここまできた上司……最近新居に引っ越したらしい、しかも、何故か僕の家に近い……ある意味怖いんですが;
“ぁの、じゃ、どうやって僕の携帯に連絡できたんです?”
“なんか寒くない?”
“……ぁ~そういえば、最新設備なんかも機能してないってことですよね…温度調節とか無理じゃないっすか……この状況でいつもと変わらずにいられるのはテラノくらいじゃないですかね”
“ウチさ、前に携帯が壊れたときのためにって嫁が昔々の電話機残してあるんだよね”
“なるほど……つまり、デジタル回線はアウトってことですかね”
“今は、そのデジタルでさえ希少……お前の携帯はレアレベル;”
“いいじゃぁないっすか、つか、ここの隊員環境結構多いっすよ、これ”
僕はそのレアレベルの携帯の時間を見るフリをし、上司から目をそらす。だって、怖い;
その希少に超がつけられるほどのシンプルな携帯は、ちょっと向きを変えただけで圏外になれるレベルなので……ま、嫌な電話を受ける可能性が普通の携帯と違って格段の差があり、割と愛用しているレアな隊員たちが……揃っているが、この上司には今は言えやしねぇ;云えば皆を裏切ることに値するくらいであってもおかしくないからだと判っている……何故って、ねぇ!!
“案の定、どこの業者とも連絡がつかないうえ、隊員で連絡のついたのが、お前入れて5名ほどで取り敢えず内勤以外自宅待機してもらってるわ”
“あれ、テラノ組の現場は今日は入ってなかったでしたっけ?僕は違いますが……”
“いや、朝一で連絡があって今日はなんでも別件で緊急な案件が入ったとかで延期きたわ”
なるほど……さすが、僕と同じアナログ回線組。……まてよ。緊急な?
“ぁ。そういえば、関係ないと思ってすっかり忘れていましたが……”
“ん?”
“この間いった、新酒のイベント。あそこで奇妙なことがあったの思い出しました”
“なにそれ、俺知らないけど”
“誰にも云ってませんから;逆に知ってたら怖いっすよ”
“……お前ホントあれだな、レアだわ。うん、最近の情勢を知らないというか、うう~~ん、あのな?最近の上層レベルだと人の思考を勝手に読むことのできるチップを頭に埋め込んでいるそうだ。無論、それを傍受されないチップも。どこまでを上層レベルというのか不明だがな”
な。……なにそれ、ぇ、ここじゃギヤスコープでさえ試供品レベルなのに、違法じゃぁないの?
“……つーことでこれからの予定は俺と過ごせ!!”
意味不明;なまま、僕はどこかに連れて行かれそうな……;




