“*W日”
“*W日”
“ちょっ、ねぇ、これどうすればいいの”
朝からゲームを堪能している妄想癖人は、あまりしゃべらないもうひとりの同居人に話しかけているようだが、もう少しこう……まぁいいけど。
“うるさいな、なに”
“動かなくなった。スキャンも強制終了も普通にできるけど、繋げると動かなくなる”
“電源も抜いて最初からやった?……みたいだな、どけ”
短絡的な?主語のない妄想癖人の話を理解するだけでもすごいと思うのに、そう云いながら、ちゃちゃっとわけの判らない僕から視たらアルファベットの羅列を弾いていた。とても頼もしく見えるが何故ここまで、朝のこのクソ忙しい時間にかまうのかかまわなければならないのか……それは。それはただゲームが出来ないだけで、否、正確には妄想癖人がゲーム出来なくなったそれだけで、家の中が暗転するからだ。僕はそれを横目に淡々と今日の準備をする。忙しくしていれば話しかけられることはまずない。……とも言い切れない;
“おかしいな、元がダウンしている可能性しか考えられない、あきらめろ。お前は異常だが、これには異常がない。今、俺にはここまでが限界”
“わかった、ありがとう、これで我慢……する、今はね”
そう云った妄想癖人はギアスコープを使おうとしたが……;ぁああ。今日は最悪の始まり;どうやらギヤスコープさえつながらない状況らしい。
朝メシは食わない主義な僕は、そんな光景を後に外へ出た。そこで目に飛び込んできた光景はウチの中より酷かった。そして僕は昨日の異変のあった無線の件をすっかり忘れた。パッと視で、電気は大丈夫そうだが通信系がいかれている感じな外部。ぇ。今のウチのあの状況でもどりたくないな……ないが…
不意に着信がはいる。本社からだったため、これ幸いと出てみた。いつもなら、ぇ、いやだなぁ…嫌な連絡しかあまりないため出たくないのだけれどね。
“通じると思った。お前の電話、特殊だからさ”
大きなお世話です……どうせ庶民の更に底辺しか持たないであろう、アナログな電話、つまりは普通の携帯の回線仕様とはちょっと違う無線使用の長距離ヴァージョンとでもいおうか……なわけで;そう、僕のウチはギャンブル凶な親父のために借金だらけで、昨年ようやく返しきれたとか、なんとかで……あまり日々の暮らしに余裕がない。他人のBMでさえ、使い込める奇特な人だったから借金を背負ったのはすべて妄想癖人。……妄想人になってしまった?のも、まぁ判る気がする。と、細かい話はおいて。
“おはようございます、なにかありました?上番の電話かけるところだったんですが……”
“お前、ホントいつも冷静だよな、この状況下でホント尊敬するわ;世代の差なのかね”
曲者直属上司からだった。




