<三日目>
俺は今日はある決意を持って学校に来た。
いつもは女の子達と喋りながら登校するのだが、今日は俺、一人である。
授業中も早く終わらないかと時計ばかりを見ていた。
しかし、こういう時に限って時間が経つのが遅く感じる。
じれったい。
今日の俺に近づく女の子達はいない。
さすがに俺の変化に気付いたようだった。
今日の俺の計画は放課後に保健室に行ってみることだった。
彼女は昨日も一昨日も保健室にいた。
今日もいるだろうという安易な考えである。
『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』
やけに長く感じた一日が終わった。
俺は早速、保健室へと走り出した。
保健室のドアを開ける。
保健の先生はいないようだ。
問題のベットはカーテンが閉じられている。
俺はゆっくりと近づき、耳を澄ます。
「スゥ、スゥ」
寝息が聞こえる。
彼女の寝息だと俺はすぐに思い、カーテンを開けると予想通り彼女がいた。
相変わらず、整った顔をしている。
俺はまた見惚れてしまった。
彼女の柔らかい頬に触れてみたくなった。
俺がゆっくりと手を伸ばす。
「柔らかい・・・」
彼女の頬は予想以上にプ二プ二でいつまでも触っていたいと思った。
しかし、少しして彼女の唇に目がいってしまった。
俺はゆっくりと顔を寄せていく。
もう少しというところで理性が俺の動きを止める。
しかし、俺はもはや彼女のプルプルの唇のことしか頭になかった。
彼女との距離が後1センチもない所で彼女の目が開かれた。
見詰め合う二人。
彼女があとずさる。
「なぁ。俺は君に恋しちまった・・・。好きだッ」
俺が思い切って彼女にそう叫ぶ。
すると、彼女は驚いたように目を見開く。
「君はホモなの?」
彼女から発せられた言葉は以外で、彼女の声は以外に低くて、まるで男だった。
ん? 男?
「もしかして・・・君は男なの?」
おそるおそる訊く俺に彼女が出した答えは・・・、
「うんッ。だって、服だってスカート穿いてないでしょ」
そんなの言われても俺は知らないよ。君は布団かぶってましたから。
こうして、俺の淡い恋は三日間の後に終わりを迎えたのだ。
そして、今では彼とは親友である。




