あなたに恋する0時
トップバッターはあいちゃん。
ツンツンなあいちゃんが…大変なことになってます。
バレンタイン位、ツンツン封印でもいいじゃないbyあい
「出来たっと。あちゃー、14日になっちゃった。すぐに寝ないと」
深夜のキッチンで、私はまあくんに渡すチョコを作っていた。
まあくんの事だ。絶対に明日も6時に私を起こしにやってくる。
毎日恒例のあの激甘スィートなお言葉と一緒に。
今までは、ビターチョコを買って渡していたけれども、今年はビターテイストのガトーショコラを作った。
無事にできたケーキを、お皿に盛りつけて、ラップをして終了。
お皿の上には、甘酸っぱいラズベリーのソースと、ランダムに置いたブルーベリーとラズベリー。
後は明日の朝に生クリームをホイップしたらお終いだ。
我ながら、良くここまでやったものだと、自画自賛をしてみる。
いつもの私だと皆は絶対こんなことしないって思うよね?
自分でも自覚あるもん。まあくんの前では素直になれない自分。
そんな私でも側にいてくれるって笑顔で私を見てくれるまあくんに…せめて今日位、バレンタイン位は好きという気持ちをのせて送りたい。
明日の準備はこれで終わったんだから、もう寝ないと。
目の下にクマでもあったら、まあくんに何を言われるか分からないもの。
私はあの後、キッチンを片づけて、自分の部屋に戻る。
通りの向かい側はまあくんの部屋だけども…流石に部屋の灯りは消えている。
そりゃそうだよね。早起きのまあくんがこの時間に起きている訳がないもの。
私は寝る前に、ビタミン剤とお肌のお手入れをする。
普段は疲れた時にしか飲まないビタミン剤だけども、今日は夜更かしをしたから特別。
お肌のお手入れをして、寝る前のマッサージもして、表情筋も少しだけ動かして…。
「なっ、何してんだろ?べっ、別にまあくんの為じゃないもん。自分の為だもん」
自分がやっていることがまあくんに向かっている気がしてしまって、自分に慌てて言い訳する。
でも…いいよね。今日1日位は、
だって、バレンタインだもの。
こんな日位は、恋の神様は皆に平等に魔法をかけてくれてるんだと信じたい。
だって…気がついたんだもの。まあくんに恋をしている自分に。
いつもの私なら…絶対に想いをつげるなんてできない。
けれども…今日なら、起きてまあくんに会ったら…大好きって言えるかもしれない。
窓から、星空を眺める。そこにはシリウスが明るい光を放っている。
シリウスには焼き焦がすものって意味があるって聞いた事がある。
自分の心にある…この恋心を伝えてみようと思う。
「どうか…伝わりますように。まあくんがひかないように」
私は星に願いをかけて、ベッドに潜りこむのだった。