表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/42

心構え編 葵&楓の場合

ささやかなる僕のお願いの葵と楓の場合

「バレンタインに何かしてって言われても…」

「確かにね」

私達は互いの顔を見合わせる。私達にとっては初めての恋人としてのバレンタインだ。

出来れば…公表することなくひっそりと終わらせたかったんだけども…そうは問屋がおろさないらしい。

「どうしましょうか…ね。とりあえず学校があるわけだから」

「学校はサボれないな。だとしたら放課後か。少しだけ期待しても…いい?」

葵君は少しはにかんだ表情で私を見ている。

「少しじゃなくっていいです。放課後、着替えてから楓君に会いたいんだけども…」

「分かった。それじゃあ、決まりな」

葵君は、ホワイトボードに16時~17時の所に私達の名前を書き込んだ。

「すみません、この時間…頂きます。帰るよ。楓」

葵君は私の手を引いて会議室から出ていく。



「いいのかなぁ?」

「大丈夫でしょ?中には一緒に暮らしている人もいるみだいだし。俺達は高校生なんだから、少しは気を利かせてもらいましょ」

「そうだね、葵君って…苦手なものあるの?」

「そうだなぁ…レーズンチョコは苦手かな」

「多分…そんなマニアックなものは用意しないから。頑張って作るね」

「えっ?作ってくれるの?」

葵君は目を輝かせて私を見ている。えっ?手作りって所に食いつくものな訳?

「…買った方がいい?それもそうだよね」

私は入らぬ考えかもしれないけど、買った方がいいかと聞いてみることにした。



「違うって。楓の作ってくれるって所がすっごく嬉しいの。分からない?」

「でも…男の子って手作りが重いって言う人がいるって言うし…」

「それは彼女じゃない子からでしょう?彼女なんだからもっと自信を持って」

葵君は私の握っている手に少しだけ力を入れた。

そっか…私…彼女なんだよね。だったら…いいんだ。何にしようかな。

「楽しみにしててね。私頑張るから」

「楓…お願いがあるんだ」

「いいよ。何?葵君?」

「あのね、義理チョコはスーパーで買ってね。手作りは俺だけにして?」

葵君のおねだりは良くあることだけども、今日のおねだりはあまりにもかわいくてくすぐったい。

「ヤキモチさん。義理チョコは部活の顧問だけしかあげないよ」

「なぁんだ。良かった。ねぇ…俺の事、かわいいとか思ったでしょ?」

葵君の鋭い突っ込みに私はぎくりとするけれども、笑顔を張り付けて答えることにした。



「いいじゃない。どんな葵君も…大好きだよ」

「楓!!ソレ!!反則だから」

私はすかさず葵君の頬に唇を当ててから、走り出した。すぐに捕まってしまうのも癪じゃない?

一瞬フリーズした彼に再び捕まってしまうのはそれから2分した後の話。


ちゃっかりと時間を指定しちゃいましたね。

その後の会議室が大変なことになったのは言うまでもありません。

案外強かな葵なのでした。楓…頑張れ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ