プロローグ 作者に呼び出されました
恋する皆の1日は?どんな時間でもあなたに恋してる。
2月1日、会議室に来て下さい。あなたのパートナーもご一緒にどうぞ。
名前のない、謎の手紙。パートナーってことは、私の場合は彼でいいんでしょうか?
「本当に何だろうな?」
「さあ?」
「どうやら…ここらしいな。開けるぞ」
彼がゆっくりとドアを開けると…そこには複数の男女がいた。
「いらっしゃい!私の子供たち!」
会議室の奥にいる人がにこやかに声をかけた。
私達は、この人を知っている。だって…この人作者だもの。
これから、一体何が起こるの?すっごく嫌な予感がする。
「ねえ、トムトム。今回の招集は何?」
「最初から、喧嘩を売る言い方をしませんよ。あいちゃん」
「何もなければ、呼ぶ訳ないじゃない。この人は勝手に呼びだすのが基本。私なんて…気が付いたら、2児の母だもの」
「どんな真美でも、俺は愛してるぜ…」
「はいっ、そこのバカップル、自重」
「それより、私達…去年の4月から全く動いていないんですけど…」
「放置プレー反対!!」
「ちゃんといつかは完結するから…ね?」
「トムトムって、下書きよりも、公開した方が3割増しで私を追い組むのよ…」
「…だよな。本当はちいが嫌いなん…いてぇ!!本気でフライパンで殴るな!!ってか、何でフライパン?」
「ちいちゃん、今は不幸でも、別の次元では逆ハーなんだからいいじゃない。それは不満な訳ね。フライパンは仕様よ。仕様。他にもね…うふふ…」
これ以上聞くのは怖いので、早く本題に入ってほしいものです。
「とりあえず、今日の目的は?お母さん」
「ああ、そうね。今年も皆の楽しみなあの季節が来たわよ」
一部の方々が体を強張らせた。それは一体なんでしょう。新参者の私には分かりません。
「あのって…アレか」
「そうよ。バレンタイン企画よ。今年は24時間争奪戦。皆で、どんなでもいいから、24時間をうま~く割り振って頂戴ね。私の企画は男の子も参戦可能だから…胡坐をかかせないわよ。何か質問は?」
「ルールはあるのかよ?」
「あるわよ。直也。直也のお得意の大人の時間は封印です。いい?」
「なんでだよ?その位解禁させろよ」
大人の時間禁止ってことは…そういうことですか。それで十分だと思うのですが。
「だって…考えるの…面倒臭い」
「ってか、彼氏いない歴=うわああ…」
いきなり、天井から金たらいが落ちてきた。この会議室は一体どうなっているんでしょうか?
「…で、君達、何か言いたい事は?」
「あっ、ありません」
「本当に、私の子供たちはいい子たちねぇ。それじゃあ、私はシエスタって事で。決まったらよろしくねぇ」
トムトムさんはヘラヘラしながら会議室から出て行った。
「相変わらず…あの人は…」
「とりあえず、皆で決めましょう。空いた時間はどうするんだろう?」
「深く考えなくていいじゃないか?アレでもへっぽこ作家だし」
「基本は妄想駄々漏れだし…」
「最近、他所でも妄想垂れ流しているから…今回は大丈夫よ」
「…だといいんだけどね」
「きっと、完結は2月14日当日だろ。今年も微妙にリアルが忙しいらしいぜ」
「確か、当日はお昼前からサークルで紙芝居と練習って言ってたから、13日までに…か」
「頭痛いなぁ」
「本当に…」
こんなんで、今年のオムニバスが始まります。お馴染みのあの人も、新キャラはあるのか?
キャラ達に無茶ぶりをした当の本人は、ちょっと早い就寝時間を迎えるのだった。
「五月蠅いわね。誰かのインフルのせいで寝不足なのよ!!」
今年もやってまいりました。去年が気になる方はバレンタイン狂想曲をご覧ください。