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大変お待たせしました。コメントしてくれた方、ありがとうございます。こっち書くのに、物凄く時間を掛けてしまい申し訳ありませんでした!

色々と失態を繰り返した後、学校に行って待っていた事は私の机真っ黒事件であった。

私の席だけが異様に黒く光っている。机だけではなく、椅子も真っ黒に染まってピカピカである。

なにこれ、なんていうイジメ。こんなイジメ初体験なんだけど、これってあれだよね、お約束の一夜のファンクラブの仕業だ。

誰が説明しなくともそう片付けておこう。

「まるで、ゴキブリのような黒光りだな」

「最低な比喩表現ありがとう。だから、林檎は松里には一生振り向かないんだね」

「呼んだー!?」

今来たばかりの、林檎は相変わらずどこか抜けているようだったが、今日は随分とご機嫌ではないか。

「お、おー…相坂、今日は随分機嫌がいいな」

「うん!今日電車でね、すっごい美人のお姉さんの胸に押されてとっても気分がいいの!今日は、良い事ありそうな予感!!」

林檎は今日も、今日とて林檎だった。

「そ、そうか…」

「わぁ、どうしたの!音ちゃんの机、ゴキブリ色だね!」

「今日一番の最悪な比喩表現ありがとう」

そんな林檎に、私は遠慮のえの文字すら出す暇なく天誅と称したチョップを脳天にお見舞いしてあげた。

「いたあーい!」

「相坂!小野木、お前最低だな!」

「人の机をゴキブリ呼ばわりするお前等には言われたくない!!」

私の言っている事は間違っているのだろうか。ただ黒く光っているというだけで、ゴキブリと比喩されてみろ。私は現に泣いている!

「音!なんで俺を待たないで先に家を出たんだ!」

「一夜ー!松里大嫌い!!」

「っふ」

ドヤ顔をして私を抱き寄せる一夜は、私を抱き締める腕に力を入れる。

「痛い痛い痛い痛い!!!」

「で、何があったんだ?」

私を離す事なく、一夜は私の頭の匂いを嗅ぐ。辞めてくれ。

見ろ。クラス中の生徒が引いている。

「私の席を、松里がゴキブリ色って言う!」

「おい!小野木は俺を殺したいのか!!」

「死ね」

一夜と一緒にボソリと呟いた。

「音の席を黒く染めたのは、俺だけど」

「なんてこった」

「ぴったりじゃねぇか」

それだけは、松里に同意した。

一夜はゴキブリ並にしぶといから同意しない言われはないはずだ。というのが私と松里の考えである。

「で、なんで私の席が真っ黒。浮いてるんだけど」

「音ちゃん!今日発売の、『危険OL達-魅惑のおみ足-』見た!?」

「ごめん、林檎。ちょっと黙ってて」

ここにエアクラッシャーがいらっしゃった。

ちなみに、『危険OL達-魅惑のおみ足-』とは18禁のエロ本である。誰だ。それを女子高生に売ったのは。

あ、わかった。林檎の見た目があまりの美少女でうっかりレジ打ちして気付かなかったんだろう。

「音を隅々まで俺色に染めようと思って。ホラ、ここ。机の隅、赤く俺と音の名前書いておいたんだ」

何これ怖い…!

「ちなみに、俺の机は音をイメージした赤だよ」

「……私って、どんなイメージ…」

「不屈の精神」

そう言ったのは、松里と林檎だった。

「何言ってるんだ。俺への愛のイメージだろうが」

「ヨカッタな、小野木」

なんで片言なんだ。

しかも、この机の隅に書かれてある私と、一夜の名前擦っても消えない。塗装した上から通夜出しのニスでも塗ったな。

「ちなみに、俺の机の隅には『一夜は私の旦那様』と、音の筆跡で書いておいた」

なぜ、そこで照れたように頬を赤く染めるんだ。

「お願いします。すぐに戻してください」

結局戻しては、くれなかった。




「全く、一夜の奴。私の机結局戻してくれなかったし、どうしてくれようか」

そうブツブツ呟いていた時、生徒専用玄関で靴を履き替えようと、靴箱を開けた時だった。一通の手紙が入っていたのだ。

可愛らしい封筒は、林檎が見たら絶賛する事だろう。あれでも、可愛らしい物は好きなのだ。女の子含め。

「なになに」

『放課後、体育館裏へれっつごー』と書かれてあった。“体育館裏へ”の後に、アルファベットでLetと途中まで書いて、中途半端に塗り潰されてあった。


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