episode5 優 〜織ちゃんの正体〜
「あ、織!」
私が織ちゃんに疑問を持ちかけた時、声がした。それも、佑くんの。
「あぁ、佑。 また同じクラスだね。じゃあ、今年もよろしく」
「だな。どういうわけか、織とはよくクラス一緒になるよなー、本当」
二人の会話を前に、ポカンとする私と麗奈。
「じゃ」
「うん」
二人はそっけないあいさつで会話を切った。
私たちの中に、しばらく沈黙が続く。
「二人とも、どうしちゃったの? 何の話してたっけ?」
織ちゃんが何事も無かったかのようにこっちを向く。
「いやいやいや!! 織ちゃんって、もしかして、桜庭くんと…」
麗奈がそこまで言って口を閉じた。でも、麗奈の聞きたいことは、手に取るようにわかる。
二人の関係、だ…。
「待って待って! 二人とも、なんか勘違いしてるよ。私と優は…」
え? 何? 何かあるの?
「いとこだよ?」
へっ…?
い…とこ……?
「ええー!? そうだったの? うそ、マジで?」
麗奈が驚きを隠しきれないでいる。
「うん。まあ、名字も違うし、あんまり似てないし、わかんないでしょ?」
そう言ってニコっとした織ちゃん。やっぱり可愛い。
言われてみれば、二人ともキレイな顔立ちだし、いとこっていうのも、納得できる気がするな…。
「まあ確かに。いとこだからね。でも、二人して美男美女だし、すごいね」
私は感心しながらそう言った。
「そんなことないよ。確かに、佑はかっこいい方だと思うけどさ。家ではあんなんじゃないし。私は全然美人じゃないし」
「いや、織ちゃんは、美人さんだよ」
麗奈がそう言うと、織ちゃんは顔を赤くして、そんなことないから、を連発していた。
そっか…。いとこだったんだ。だから、佑って呼んでたんだ。
私がそう一人で納得していたときに、休み時間終了のチャイムが響いた。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!!
とっても嬉しいです。
素人が書いた、ヘタな内容ですが、これからもよろしくお願いします。