表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋の色  作者: ふろっぐ
3/12

episode2 優 〜桜庭くんの人気ぶり〜

……。桜庭くん?って、私のとなりの席だったんだ。

私は、そうなんだー、と思って、麗奈に話しかけようとした。けど、やめた。

だって、麗奈、完全に目がハートになってる。あ、麗奈だけじゃないか。

このクラスにいる女子、全ての人が、桜庭くんを見つめている。

教室中が静かで、なんの関係もない男子までもが、ただごとではない雰囲気を感じて、しゃべるのをやめていた。


「…どうしたの? なんかこのクラス静かじゃん。みんなもっとしゃべろーよ。仲良くしよーぜ?」


静寂を破ったのは、この静けさのもとの、桜庭くんだった。

みんなが桜庭くんのことを見ている。でも、桜庭くんは、あんまり気にしていなくて、近くにいた男子に話しかけていた。

そのあと、男子たちが次第にしゃべりだし、教室はもとのにぎやかさになった。

女子たちは、もう桜庭くんの話しかしていないんだけど。

にしても、なんかすごいな、桜庭くん。みんなが桜庭くんの言うこと聞いてるし。

「いーなー、優は。桜庭くんのとなりの席なんて。うらやましすぎるよ~」

ちなみに麗奈は、さっきっからこの言葉しか言っていない。

「それ言うの、14回目。別にとなりだから何? それに、私は全然興味ないから。桜庭くんに」

私がこのセリフを言うのも、14回目。

たしかに、かっこいい…だろうけど、それだけで、何の感情も浮かんでこない。別に、普通の男子と変わんないじゃん。

「そりゃ、優は興味ないかもだけど。でもうらやましいんだよ~っ」

はぁ…。もう手がつけられないや。ほっとこ…。

私は横目で、となりの桜庭くんを見てみた。

もうすでに、男子の中心の中に入っている。やっぱり男子も、桜庭くんのこと知ってたのかな? 私本当に知らなかったんだけど…。

なんてことを考えていたら、なんかみんなが席につき始めた。

「優! 何ぼーっとしてんの! チャイムなったよ」

「え、あ、うん。ごめん」

麗奈に言われてハッとした。まったく、私ってば、なにやってんだか。

あ、てか、席に戻るってことは、桜庭くんのとなりに座るってことなんだよね。麗奈がさんざんうらやましがってたけど。あ、ちがった。たぶん、私以外の女子全員もか。

にしても、私はどうしたらいいのかな? 別に普通にしてればいいん…だよね。

そんなことを考えていたら、急にとなりから声がした。

「ねぇねぇ」

と。

…桜庭くん、だった。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ