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初恋の色  作者: ふろっぐ
10/12

episode9 優 〜移動教室!?〜

「えーっと、1年4組担任の、谷山 将生ですー。まあ、よろしく」

今日、初めて担任の先生がしゃべった。

「いやー、さっきもちゃんと教室来てたんだけどさー。みんなが楽しそうだったから、まあほっといたわけ。でもー、今日どーしても決めなきゃいけないことが一つだけあってさ…。さっさとそれ、決めちゃおーと思いますー」

な、何かずいぶん適当な先生だな…。まあ、怖い人より全然いいけど。

「ま、もうみんな知ってるかもなんだけどー、再来週から、1年生は、移動教室として、京都に行きますー」

やったら「ー」が多いな…。って、そこじゃなくて、京都!? って、何?

「でー、その班を決めたいんだけどー。…名前順でいーでしょー? とにかく時間がないからさ。早くしないと入学式始まっちゃうんだよねー」

そんな理由で…?

「じゃあ、ちょっと自分の班確認してー」

谷山先生…が、すでに用意してあった、班分けのプリントを配る。

「おお。優と一緒だ」

隣で佑くんがそうつぶやいていた。確かにプリントを見ると、佑くんと私は一緒の班だ。

「そうだね。まあ、近いからね、名前順。移動教室でもよろしくね!」

私はそう言って、佑くんの方を向いて少し笑ってみた。

「おう!!」

佑くんもこっちを見て、笑ってくれた。

「はいー、みんなちょっと静かにー」

ザワザワしてきた中で、先生が少し大きな声を出す。でも、あいかわらず「ー」は多いんだな…。

「それで、係も決めなくちゃいけないんだけどー、めんどくさいから、こっちで決めちゃいまーす」

何という先生だ、一体!?

私は何か不安になって、なぜだか佑くんの方を向いてしまった。

佑くんは、ん?って顔をしてこっちを向いた。

「あ、いや…。何の係があんのかなーって思ってさ。まあ、佑くんが知ってるわけないよね」

あはは、と笑ってごまかす。完全に苦笑いだったと思う、今の顔…。

「まあ、班長とか、副班長とかは絶対いるよなー」

けっこう本気に答えてくれる佑くん。入浴とか? 食事とか? と、ずっとブツブツ言っている。

「はーい、発表します。今、机を班の形にしたときに、一番前に座ってる男女ー。その二人のどっちかが班長で、もう一人が副班長ねー。次ー、二列目のひとはー…」

私の班の一番前って…。私と佑くん、だよね。 うわー、班長とか、絶対イヤだな…。みんなをまとめるとか、無理だし。何より、仕事絶対多いし。どーしよー。

「…あのさ、おれ班長でもいいよ?」

「え?」

おもわず聞き返してしまった。だって、普通は自分からやりたいなんて言わないよ?

「本気にいいの?」

「うん。なんか、優すごくやりたくなさそうだし。おれ、昔からこの手の係はしょっちゅうやらされてたから、慣れてるんだ。だから気にしないで、副班長やれよ」

「…ありがとう」

ヤバイ。佑くん、いい人すぎる…。今本気で佑くんがいてよかったって思ったよ。

「あ、でも、副班長として、ちゃんと班長を手伝っていう仕事はしてもらうからね」

「何それー? 副班長っていったら、何もやることなくて、一番楽な係の代名詞だよ?」

あ、おもわず本音が…。班長やってくれたのに、ひどいこと言っちゃったかな。

「何だよそれ。何かウケる」

予想外の大笑い。でも、私もつられて笑ってしまった。

「じゃあ、とりあえず班の形にしてくださーい。とりあえず、その中で自己紹介でもして、仲良くなってねー」

仲良くなってねーって…。何もすることなかったのか?

そして初日には定番の、自己紹介が始まった。

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