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ネモフィラの宙に、星のつばさは春を羽ばたいて

作者: 逢乃 雫
掲載日:2026/04/12

空へと春が


透きとおるように



浮かびゆく


羽根雲を見つめながら



春から届いた


桜色の手紙を、そっと



胸にあたため


樹は花衣から葉を衣に



夢見鳥が


舞いゆくそよ風の丘に



金糸雀(かなりあ)色の


陽ざしを浴びて



瑠璃唐草の


花びらはやわらかに



澄んでいく


空の色を


大地へ映すカプリブルー




ネモフィラの


空は青くはてしなく



瑠璃色の


宵空へと浮かぶ



煌めく杯は


コップ座の星々



光が描く


星空のデキャンタージュ



春の夜空へ


星の光をそそぐように




星のつばさは


宙に紅く羽ばたいて



四月は得鳥羽月(えとりはのつき)


鳥がつばさを得るように



季節をわたり


時を羽ばたくように



南の(そら)


越えてゆく


アルケスのたすき星



光るつばさで


朱雀(すざく)が春を舞うように




見渡す丘に


遥かに咲きわたる



ネモフィラは


青く、はてしなく



宙へと春が


透きとおる夜に



羽ばたく星の


つばさを見つめながら



時に雲が


空を覆うときにも



心の森に


あたたかな陽だまりを


つくるような


言の葉が、あると信じて




昨日から今日へ


今日から明日へ



太陽と月と


星が光を


繋いでいくように



こころから


こころへ


ぬくもりを繋いでいく



たすき星のような


言の葉を、大切にできたら




春から届いた


桜色の手紙を、そっと



胸にあたため


樹の葉の衣が



織りなす


景色は羽衣のように



見上げれば


星空のデキャンタージュ



春の光を


心へとそそぐように



ネモフィラの


花はさわやかに



澄んでいく


宙を瞳へ、映すカプリブルー

















春の星座の一つ、コップ座は、夜空に杯が立つように上り、土台にはアルケス(アラビア語で「杯」)の星が煌めきます。「デキャンタ」は、ラテン語の「静かに注ぐ」に由来するとされます。


アルケスはオレンジの星で、「たすき星」の別名があり、星座の星々は「朱雀すざくの翼」とも呼ばれます。得鳥羽月えとりはのつきは4月、夢見鳥ゆめみどりは蝶のことです。


4月中旬から見頃のネモフィラ(ギリシャ語で「小さな森を愛する」)は、瑠璃唐草るりからくさとも呼ばれ、森の中でも陽だまりを見つけるように咲くことから、花言葉は「どんな場所でも成功を」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
色彩が豊かで素敵ですね。清々しくてキラキラした気分になりました。
夏に向けて活動を始める、そのスタートとなるような時期。あちこちに見られるつばさが、逸る心とその可能性を示すようで。とても前向きになれるお言葉ですね。 小さな陽だまりに空を映すような花が咲くように。 …
ネモフィラいいですね。言葉遣いが優しくてホッとした気分になります。私もこのサイトで詩を書いているんですけど、すごく参考になるなぁ、と思いました。「宙へと春が透きとおる夜に」が特に好きです。素敵な詩を読…
2026/04/23 18:20 退会済み
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