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1-9 王太子の訪問

読んでいただきありがとうございます。

初作品 がんばります!



気が重い。

なぜこの日が来てしまったのだろう。

また、体調不良でお断りできないだろうか。

だんだんとおかしな思考に陥っていく私。


領地経営の立て直しを始めて意気揚々と領地の視察に行ったり、家族会議をしたりしていたある日。

来てしまいました。先ぶれが。

誰からだって。

もちろん王太子殿下です。



「やあ。元気だったかい?随分毎日忙しそうにしているね。どこに行っていたのかな。私にカードの返事を書くことができないくらいなんだね。大変なんだね。」


ゾォッ。美しい笑顔でさらりと毒を吐く。

忘れてた~。

どうしてこんな大事なこと忘れていたんだろう。

せめて一言「素敵なお花、ありがとうございます。」 と返事を出さなかったのだろう。

本当は分かってた。

でも忘れたかった。

返事を出したくなかっただけ。

いえ、一切かかわりたくなかった。

でも、絶対そんなことは言えない。

礼儀知らず?

一般常識欠如?

そんな私不敬罪になる?

ええい。まずは、潔く謝ろう。


「大変申し訳ございませんでした。少し事情があり、忙しくしていて失念しておりました。今後は、このようなことがないよう、重々気をつけたいと存じます。」


私は、深々と腰を折り謝罪の意を表した。


「いいよ。そんなにかしこまらなくても。でもその代わり、今日まで何があったか教えてもらえるかな。」


えー。

言いたくない。

でも、視線を外さず笑顔で見つめられ、嫌とは言えない圧を感じる。


「あのぉ。それは・・・どんなドレスがいいか考えたり、どんな宝石がいいかお母様と話したりしておりました。」


真実味を増すために、少しの真実を混ぜて答えた。



「へぇー。そうなんだ。それは、とても楽しそうだね。じゃ、質問を変えるよ。」



少しの沈黙の後、さらに笑顔の圧が増した王太子殿下からどんな質問が出てくるのか。緊張で顔がこわばる。



「君にとって、幸せなことって何?」



「それは---家族、いえ、みんなが笑顔でいることです。---あっ。」



緊張しすぎて、思いっきり素になって答えてしまった。失敗したかな。まあ、抽象的なことを話したし、大丈夫かな。


「さっきの話だと君は、ドレスや宝石が好きみたいだから、花はやめて今度婚約者としてドレスでも贈ろうか?」


王太子殿下は、にこにことそんなことを言う。


「いえ、まだ、7歳ですので、すぐ着られなくなってしまいます。私などのためにもったいないのでご遠慮させていただきます。お心遣い大変うれしく存じます。」


「婚約者なんだから遠慮しなくていいのに。」


「そのことについてですが、私、ご存じのように大変わがままに育ってしまったと最近気が付きました。お恥ずかしいことですが、自分のことばかりで周りの方のことを思いやることができていません。他の方への配慮も欠けていると感じています。こんな私では、未来の王太子妃として到底務まるとは思えません。もっとふさわしい方が周りにはたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。私、いつでも」


「あ~。」


急に声をかぶせてきた王太子殿下。強い視線が一瞬向けられた気がした。


「ごめんね。話の途中だったけど帰る時間になってしまったみたいだ。少しの時間しか取れなくて申し訳ないね。次は、もっと時間がとれるようにするからね。また、手紙でも書くよ。君も今度は返事をおくれよ。楽しみにしているね。それでは、また。」




不穏な言葉を残して王太子殿下は帰って行った。

私、婚約者にはふさわしくないって言えたかな?

ちょっとは伝わったかな?



そんなことより、気持ちを切り替えて断罪回避に向けて少しでも敵を減らさなくちゃ。


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