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2-3 久しぶりの家族に ~エドワードside

いつも読んでくださりありがとうございます。


私は、ローゼンベルク公爵家 長男。


本来なら次期領主である。

だが、私はその家を見限った。


「トーマス、領地のこと任せたぞ。それよりシャルロットのために仕立て屋を呼んでくれないか。」


領主のくせに一向に領地経営に目を向けない父親。娘には甘く、散財ばかり。一番大切なのは領民だろう。領民に目を向けないのは領主失格だろう。


子供達には全くかかわらず、自分のためのドレスや宝石を買い、お茶会ばかりに心血を注ぐ母親。もはや母親の役目を果たしていない。


そして、わがままを許されてきたために、使用人に対して傲慢にふるまう妹。6歳であの状態では、この先公爵家を陥れるためのネタにされかねない。


そんな家族に心底失望し、ローゼンベルク家を見切って家を出た。

家族への期待も温情もかけらも残ってない。

たまに思い出したように届く家からの手紙。

一つも興味がない。


もう、学園で領地経営に必要な知識をしっかり学び、一人で戦う気持ちだった。


日々自分を追い込みながら学んでいたある日、いつもの手紙かと思ったが今回は何か違う。


「ん?何か入っている?」


開けてみると、一粒のダイヤモンド。


そういえば、学園で最近ちょっと話すようになった令嬢に聞かれたな?


「あのう。『ローゼンベルクカット』のダイヤモンドのアクセサリーは、あなたの領のものですよね。どこで手に入るのか聞いていただけないでしょうか。」


ローゼンベルクカット?


始めて聞いた。


私がいるときには聞いたことがなかったぞ。

それがこれなのか?


気になって恐る恐る手紙を読んでみた。


今では9歳になっている妹の字にしては、考えられないくらいきれいな文字で書かれてある。

きっと侍女か誰かに書かせたのだろう。

しかし、侍女では知りえないローゼンベルク家の内情が入りすぎている。

妹はこんなに成長したのだろうか?


しかしそこには、私の予想を裏切る驚くべきことが書かれていた。


改善が見込めないと思っていた父親や母親、そして妹までがなぜか反省をして領地経営改善に努めているという。


にわかには信じがたかった。


しかし、現物はここにある。

確かに、今までのダイヤモンドとは輝きが違うようだ。

うまくいけば領地の収入改善にはなるだろう。

それでも、その収入が領地改善につながるだろうか。


しかし、ここでも領地改善に私の力を貸してほしいと書いてある。


本当か?



信じられはしなかったが、少しでも領地のためになるのなら話だけでも聞いてみるか。



重い腰を上げて、連絡を入れ、王都の屋敷で家族に会った。


「忙しいところ、来てくれてありがとう。お前には心配をかけたな。今まで、領地を顧みず、領主として本当にすまなかった。」


「私も母として公爵夫人として全く自覚がなかったわ。寂しい思いもさせたし本当にごめんなさい。」


「お兄様、今までわがままばかりで本当にごめんなさい。」


これは何だ。

傲慢な家族にこんなふうに謝られるなんて思ってもみなかった。


しかし、言葉では何とでも言える。


実際に目で見て確認させてもらおう。


「私が家を出てから何がどう変わったのか、詳しく教えてくれ。」



執事のトーマスを入れ、領地の収支の変遷。

ダイヤモンドの価値をあげる戦略から行動。

そして、家族の意識の変化。


全て話を聞き終わったときには、頭が混乱してよく理解できなかった。


しかし、分かったことがある。


領地は間違いなく上向きに変わっている途中である。

そして、家族の意識は180度良いほうに変わっていた。


分かりはしたが、理解できるとは限らない。


「とりあえず今日は話を聞きに来ただけだから。私は学園に帰る。」


「 」

妹は一瞬目をつぶり、がっかりした顔をした。


ほんの一瞬、胸が痛んだ。


玄関前まで無言で歩いた。


「また、帰ってきてね。」


妹は消え入りそうな声で呟く。


「もっと勉強するよ。・・・この領地のために」


今はまだ私にできることは少ない。

すべて信じたわけではないが様子を見ながら私にできることをしよう。

もっともっと学んでいこう。



暗闇に一筋の光が見えた気がした。

あの家族が本当に変わったのなら。





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― 新着の感想 ―
〇〇サイド、いいですね。ちょっと、ウルウルきました
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